過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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899:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/20(木) 14:08:34.05 ID:RyKJ/b+H0
 二人の了承を得られた男はさっそく少女の身を整えるためまずは風呂屋に向かった。番台に金を渡して中に入ると、少女に中で身体を洗ってくるように指示した。本当ならば男がどうにかしてあげたいところであるのだが、さすがに一緒に入るほど少女が幼くなく、自分自身でどうにか出来る年齢であったため以降は彼女身を清めるのを任せた。
 そして数十分の後、身を清め、別人のように変わって戻ってきた少女が男の元を訪れた。

少女「あ、あの……。ありがとう、ございます」

 長いこと手入れしていなかった髪の毛の先は未だ傷んでおり、長さも伸び放題といった様子ではあったが、体に溜まっていた垢や汚れは幾分か取れてだいぶマシになっていた。
 ただ、食事はまともに取れていなかったため少女の身体の線はひどく細くなってしまっていた。
 こればかりは一朝一夕でどうにかなるものではないため、時間をかけてゆっくりと健康的な体型にしてあげるしかない。
 そんなことを思っていると、安心して気が抜けていたのか少女のお腹が音を立てた。

少女「あっ……」

 恥ずかしそうにしながら視線を逸らす少女。男はそんな彼女の様子を見て苦笑した。

男「お腹が減ったんだね。よし、それじゃあご飯食べに行こうか」

 そう言って二人は再び宿に帰る。包帯が巻かれた男の右手と少女の左手がギュッと固く、固く結ばれる。
 兄妹のように、親子のように、まるで家族のような二人の関係はこの時結ばれた。自覚なく壊れていった青年と最愛の人に裏切られた少女。
 この先の未来で一度は別れ、すれ違うことになる青年と少女。その最初の出逢いはこうして終わりを告げるのだった。



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