882:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/16(火) 01:21:42.76 ID:gjzpH+ig0
ほむら「支えてくれて、ありがとう」
まどか「……ううん」
ほむら「でも、もう一人でいけるわ」
胸にかかった長い髪を右手で後ろへ送り、心配そうに握るまどかの手を一瞬だけ握り返してほむらは自分の足で立ち上がる。
ほむら(もうこれ以上、貴女の手は借りない)
そして、さっきから不気味に押し黙りながら、二人を静観していた魔獣の前へと歩んでいく。
ほむら「まどか……」
まどか「……?」
ほむら「これから何が起こっても……」
ほむら「もう一度だけでいいから……信じて」
まどか「え……?」
確かにまどかにはそう聞こえた。信じて、と。
もちろんまどかは彼女を疑ったりなどしない。
ただ……すこし振り返ったほむらのその瞳には、何かを諦めているような
悲しみの色が見えたような
そんな気がした。
まどか(ほむらちゃん……)
また前へと向き直り歩みを進めるほむらの背中が、何も聞かないでと語っているように感じ、心の中だけで名前を呼んだ。
ほむらが居れば何もかもが上手くいくと、そう思っていたのに。
まどか(なんでだろう……)
胸の奥で何かがつかえているような、言葉にできない不安がどうしても拭えない。
ほむらが目覚めたというのに、まどかの心の中を映したこの空間には
依然として深い暗闇が静寂の中で揺蕩っていた。
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