951:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2013/12/04(水) 23:16:59.95 ID:T5gfInHm0
魔獣「……まぁ、いっか。もう十分に満足したし」
不敵に笑った魔獣の顔の右半分が不自然に歪み、
直後にズルリと音を立て表皮が剥がれ落ちる。
魔獣「あら……」
無惨に崩れたその顔の奥からほむらが以前に見たことのある顔が覗いていた。
いつかの繰り返してきた時間の中で見た、まどかの魔女。
その顔にとてもよく似ていた。
魔獣「限界、ね……」
まどか達の精神は魔女のものになりかかっているようだ。
残された時間はもう少ない。
魔獣「それじゃ、一足先にいっているわね」
魔獣「もうここに精神を留めておく意味もなくなっちゃったし」
虚ろな表情のまどかを横目で一瞥して、ほむらへと視線を戻す。
魔獣「それじゃあね、暁美ほむら」
魔獣「これからやって来る過去でまた相見えるその時まで、あなたとはしばらくお別れね」
魔獣「もう離れられはしない、あなたの望んだ永遠の先で『私達』は待っているわ。何時迄も……」
言い終えると魔獣は大仰に両手を拡げ、その輪郭が背景の闇へと溶け込むように消えていく。
癇に障る笑い声を残しながら。
ほむら「……ええ、分かっているわ」
自分に言い聞かせるようにほむらは呟き、天を仰ぐ。
天蓋の破片はもう殆ど崩れ落ち、最後の一つを残すのみとなっていた。
先程の魔獣と精神を同じくするまどかの人間としての意識も、もう間も無く失われるだろう。
そうなれば、まどかとは―――
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