過去ログ - とあるカッパと黄泉川家
1- 20
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/06(木) 21:56:44.18 ID:E7FR2Dvu0

「キューン……」
「つんつんつん、ってミサカはミサカは謎の桃太郎ならぬリュック太郎を棒きれでつついてみる。生きてる? ねぇコレ生きてる!? ゲコ太!!?」

大人が一抱えもする大きくて古臭いカーキ色のリュックサックと、緑色のぬいぐるみが水際に落ちている。
一見ぬいぐるみかと思ったその緑色がもぞもぞ蠢き、声まで聞こえるものだから、打ち止めが興奮して両手をそれに伸ばす前に、

「馬鹿野郎ォ! 訳分かンねェモン触ってンじゃねェよ!」
「ふぎゃっ」

一方通行に襟を引っ張られて尻もち寸前の所をさらにチョップされ、打ち止めは頭を押さえてうずくまった。

「えーんえーん、ってミサカはミサカは嘘泣きしてみたり。あー、番外個体には怒らないんだずるい」
「生きてるねぇ。でも残念ながらゲコ太には見えない」

追いついて来た分別(?)のある二人が現状把握に乗り出す。
番外個体が両脇の下に後ろから手を差し込んで一方通行の眼前にソレを掲げる。

「……なンだこりゃ」

体長五十センチほどのぬいぐるみは生きていた。呼吸に合わせて肩や腹が動いている。
苦しげに歪められていた表情がピクピク動き、閉じられていた目がしばたいた。

ぱっちり開いた黒く丸い瞳と鋭く赤い瞳が交錯した。

「……パコン!」
「!?」
「うげ」

いきなりぬいぐるみのクチバシ(としか表現できない)が震え、微かな衝撃波と大きな音が。
一方通行は一歩退き、番外個体は謎の生き物を放り出した。

「知ってる! これは河童だよ!ってミサカはミサカはアニメから取り入れた知識をひけらかしてみる!」
「クパパ?」

それが、かぁたんと学園都市の子供達の出会いであった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
768Res/476.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice