過去ログ - 比企谷八幡(22)「やはり俺の就職活動は間違っている」
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35:1[saga]
2012/12/09(日) 23:56:24.53 ID:s9dzZHte0
雪乃「でも、実際のところ…このままいけば、その可能性も高いのではなくて?」

八幡「……き、希望は残されているよ。どんなときにもね」

雪乃「そう? 何か、秘策でもあるのかしら」

八幡「………あー、ほら、なんだ。こないだ投稿した小説。あれが賞を取れば…」

雪乃「………………………」

八幡「おいよせ。その本気で憐れむような目」

さすがにガチで傷つく。むしろ、宝くじを買ったとかいう方が、完全に冗談になる分マシだったか…。

雪乃「…よかった。本気で言ってたらどうしようかと思ったわ」

八幡「さすがに俺も、作家で食ってくなんて夢は見てねぇよ…」

受傷自体雲をつかむような話だが、仮に作家デビューしたとしても印税で生活するために一体どれだけの売り上げが必要か。

雪乃「……由比ヶ浜さんは、応援するって言ってたわね」

八幡「……あいつは本当、なんていうか……いい奴だよな」

どこに発表するあてもなく、現実逃避と自らの内にある青春の鬱憤を晴らし、昇華させるために書いた私小説。…のようなもの。
それを由比ヶ浜に発見され、読まれたときには悶絶したものだったが、感動した! 投稿するべき! としつこく勧めるのに辟易して、つい、少し修正を加えた後でとある文学賞に応募作として送ってしまった。
当初は、じゃあ、妖怪とかでてくる時代ものを改めて書く、といったのだが、それはきっと玉砕するからやめとこうよ、などと言われて断念した。まぁ、もともと書いてあったものを手直しするほうが楽でいいが。

発表はまだだが、どうせ没に決まっている。

雪乃「これで本当に、比企谷くんが売れっ子作家にでもなったら、由比ヶ浜さんは大恩人ね(クス)」

八幡「あるわけねーだろ。そんな可能性があると思ってるのは由比ヶ浜だけだ。本人でさえ信じてねぇよ」

雪乃「……でも、私も貴方の作品自体は好きだったわ。文章も熟れていたし、高校時代の気持ちを思い出した」

八幡「……知り合いに読まれてると思うと、恥ずかしさが半端ねぇな」

イヤ、マジで。

雪乃「…ペンネームのセンスはどうかと思うけれどね。何よ、『堪 溜(たまり たまる)』って」

八幡「溜まりに溜まったいろいろなストレスが俺の作品の原点だ。どうせ、使い捨ての一回きりなんだから別にいいだろ…」


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