140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/05/08(水) 03:21:05.07 ID:KOxPKN0R0
ステージの上、目を閉じて静かに待つ。
shiny smileのイントロが流れくる。それを合図に自分は踊りだす。
ステップをする足取りは軽い。いい波に、ノリに乗れてるよ。
「お気に入りのリボン、上手く結べなくて、何度も解いてやり直し」
プロデューサーの指示を見てみる。
あっ、やっぱりそのアピールで行くんだ。
自分も同じことを考えていた。
「夢に似てるよ。簡単じゃないんだ」
プロデューサーの指導を思いだす。自分の色を強く出すんだ。
「妥協しない! 追求したい!」
審査員に、その向こうにいるプロデューサーに向けてビシッと指を指すポーズをとる。
よしっ、バッチリ!
「頑張ること探して」
もうすぐだ……自分の掴んだ、あの感覚を。
「ねえ……走るよ!」
瞬間、プロデューサーから「行け!」という声が聞こえたような気がした。
大丈夫だよ、プロデューサー。
自分なら、なんくるないさ!
「君まで届きたい! 裸足のままで
坂道続いても 諦めたりしない
手に入れたいものを 数え上げて
いつだって ピカピカでいたい
私 shiny smile」
プロデューサーの指示と自分のダンスが重なっていく。
楽しい。
ここにいたい。
このまま、ずっとプロデューサーとshiny smile踊っていたいな。
「君まで届きたい! 裸足のままで
坂道続いても 諦めたりしない
手に入れたいものを 数え上げて
いつだって ピカピカでいたい」
自分は声のトーンを落として、儚げに歌う。
ハハハ……まさか一人ぼっちの寂しさのおかげで、こういう表現が出来るなんてプロデューサーには言えないかな。
「わたし!」
プロデューサーが両手で三角系を作る。
見ていて、プロデューサー。
自分の完璧なshiny smileを!
「君へと届きたい! 転びそうでも
ブレーキを我慢して 石ころをかわして
泣きそうな思いを 乗り越えたら
いつだって キラキラでいるよ
私 君とshiny smile」
・
・
・
歌い終わった自分は、ステージを降りていく。
最高の出来だった。まだ気持ちの昂ぶりが抑えられない。
プロデューサーが近づいてくる。
「すごくいいパフォーマンスだった。輝いていたよ」
「へへ……shiny smileって、そういう意味でしょ?」
「違いない」
プロデューサーは小さく笑いながら、肘を曲げた腕を自分に突き出した。
自分も同じように腕を突き出して、プロデューサーの腕に軽くぶつける。
オーディションの結果は、自分の1位だった。
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