過去ログ - P「君と過ごす1週間」
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151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/05/21(火) 01:16:37.62 ID:F2l9FKPS0
「ここまで来れば、もう大丈夫かな……」

春香の前ではカッコ悪いから我慢していたけど、もう泣きそうだ。
泣きたい。今すぐ泣きたい。泣きたいのに。

「響……」
「765プロ……来たんだ」

どうして泣かせてくれないんだよ。ライバルの前じゃ泣けないよ。

「プロデューサーがアイドルのことを気にかけるのは当然だろ?」
「それはもう終わったことでしょ。それに自分は完璧だから負けたって、全然へっちゃらだぞ。……へっちゃらだぞ」

震える声で言っても説得力がないと思うけど。

「響。終わったってことは、過去ってことは、確かにあったってことさ。響と俺は、確かにアイドルとプロデューサーだった。そして、俺はその関係が今でも変わらないと思う」
「じゃあ、765プロは今でも自分のプロデューサーなのか? 春香じゃなくて?」
「俺は春香のプロデューサーであり、響のプロデューサーだよ。俺の助けを必要としてくれるアイドルがいるなら、俺はそのアイドルのプロデューサーだ!」
「八方美人だよ、それ」
「うぐっ、言ってくれるな」
「ふふっ」

たじろぐ765プロを見て、泣きたいのにちょっと笑ってしまった。
そっか……765プロはまだ自分のプロデューサーで、自分を支えてくれる人でいてくれるんだ。

「ねえ、76……ううん、プロデューサー。お願いがあるんだけど」
「……どうした、響?」
「ちょっとでいいから背中、かして」

プロデューサーは黙って振り返り、背中をみせる。
自分はプロデューサーの後ろからそっと抱きついて、声をあげて、おもいっきり泣いた。



「もういいか?」
「うん。たくさん泣いたからスッキリしたぞ。付き合わせてごめん」
「俺が自分から付き合ったんだ。気にしないでくれ。それに泣いている女の子を放っておくなんて出来ないからな」

プロデューサーは気障ったらしくカッコつける。
……に、似合わない。軽い冗談のつもりでやったのかもしれないけど、似合わなすぎる。
真面目なことを言っている時はカッコいいのに。

「これから、どうするんだ? 故郷に帰るのか?」
「それは出来ない。自分、トップアイドルになるまでは帰れないし」

貴音との勝負もあるし。

「だから、もう一度どこかの事務所に入って一からやり直すよ」
「諦めない限り、夢は続いてくからな」
「うん。そして、いつか春香に挑戦するんだ!」
「ははは! そいつは盛り上がりそうだ! だが、トップへの道は甘くないぞ。俺と春香もかなり苦労したからな」
「ふふん、すぐに追いついてやるぞ。それじゃあ、またどこかで!」

自分はサクッとプロデューサーに別れの言葉を伝えて走り出した。
ねえ、プロデューサー。自分たち、また会えるよね。
あと……諦めてないのはトップアイドルだけじゃないから。
春香には悪いけど、やっぱり譲れない。
欲しいものは自分の手で掴むもの。略奪愛って、ちょっと燃えるぞ。
まあ、その前にやらなきゃいけないことが沢山あるんだけどね。
まずは新しい事務所を急いで探さないと。
現実的な話、アイドルをやってお金を稼がないと家の家賃、電気代、光熱費、ガス代、食費、雑費、親への仕送り、それに今までは961プロがお金を出してくれていたけど、ペット達の餌代もかかる。
本当に急がないとな。
……だ、大丈夫だぞ。自分なら、きっとなんくるないさ!
自分が立ち止まって、頬を叩き気合を入れなおしていると、

「おお、君! そこの君だよ、君!」
「えっ?」




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