157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/05/22(水) 02:17:13.30 ID:zqNWMbUt0
「おお! そう言えば1つ大事なことを忘れていたよ」
社長はさっきまでの態度とは一転、またいつもの気さくな社長に戻りながら言った。
「君たちに紹介したい人物がいるんだった」
「紹介したい人……新しい社員ですか?」
「いや、新人のアイドル候補生だ。しばらくは見習いとして、勉強をしてもらうが、いずれはデビューしてもらうことになるかもしれない。色々と教えてやってくれたまえ!」
社長が「入ってきたまえ」と言うと、社長室のドアが開いて、
「おはようっ! 自分、我那覇響! 今日から765プロでがんばるぞ! よろしく、先輩!」
響が出てきた。
「響ちゃん! どうしてここに!?」
突然の響の登場に春香は驚いている。
一方、響は「どうだ」と言わんばかりに胸を張っている。
でも、本当にどうしてだ?
「いやあ、なんかそこの社長が765プロに来ないか?って、聞いてきてさ。春香に挑戦するなら765プロが一番手っ取り早いし、これは決まりだなって思ってさ」
「な、なるほどな……」
しかし、もう一度どこかの事務所で再トライと言っていたが、まさか765プロにやってくるとは。
「社長、いいんですか?」
「我那覇くん程の実力者、フリーにしておくのは勿体無いだろう?」
「だからって、昨日までライバルとして戦った相手を……」
「昨日の敵は今日の友だよ、君。それに夢を追う女の子の力になれるのは嬉しいことじゃないか」
社長は腕を組んで、うんうんと頷く。よくそういうことを素で言えるよなあ。
「よろしくね、響ちゃん!」
「うん、こっちこそね。でも、自分、春香と友達になるつもりはないぞ!」
「えっ?」
「だって、自分は春香に挑戦にしに来たからね。……色々な意味で」
響が俺の方を見る。
なんだなんだ?
その様子を見て、春香は慌て出す。
「ひ、響ちゃん!」
「ふふん! 完璧の称号は春香にあげちゃったから、早く春香に勝って完璧な自分に戻らないとね。仕事も……それから恋も完璧にこなしちゃうくらいにね。さて、そのためには」
響は、つかつかと俺の元へやってきて手を差し出す。
「これから……末永くよろしくね、プロデューサー」
「えっ……ん、ああ。よろしくな」
俺は響の手に、自分の手を重ねて握手する。
何故か響の顔は真っ赤だった。
「……そ、それじゃあ、早速ミーティングをしよう、プロデューサー!」
「は?」
「だって、自分の再デビューに向けて色々と考えてもらわないとさ」
「いや、今日は春香と今後についてのミーティングが」
「そ、そうだよ! プロデューサーさんは、今日、私とミーティングするの! 私とプロデューサーさん、ふ・た・り・の今後について!」
「いや、話し合うのは春香の売り出し方であって」
「プロデューサーさんは静かにしていてください!」
「あ、ああ……」
どうしたんだ、春香。さっきからやけに慌てているけど。
「それにプロデューサーさんは、私の担当プロデューサーだよ!」
「え〜? でもプロデューサーは765プロのプロデューサーだろ? なら、765プロのアイドルである自分のプロデューサーでもあるでしょ?」
「響ちゃんはアイドル候補生見習いでしょ!」
「そんなの自分なら、なんくるないさー!」
俺の目の前で、響と春香が騒ぎ出す。
……どうやら765プロはとても賑やかになりそうだ。
171Res/177.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。