96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/29(金) 18:43:50.72 ID:QbzjjzhG0
プロデューサーに連れられて、目的の服屋に入ると向こうから派手な服をきた細身の男が体をくねらせながらやってきた。
「いらっしゃい、あら……あなた765プロの」
「お久しぶりです」
「もう来るなら、来るって一言連絡入れてちょうだいよ!」
「ははは、すみません。なにせ急だったものなんで」
プロデューサーはオカマみたいな話し方をする男と親しげに話す。
ま、まさかプロデューサーって、そっちの人!?
「それでうちに何の用? ビジネスのお話なら、奥の事務所でゆっくりと」
「そ……それはまた別の機会に」
プロデューサーは、男の誘いに両手を少し前に出してやんわりと断った。
ビジネス……ああ、そういうことか。
このオカマみたいな男が、さっき言っていたお世話になったスタイリストの人なんだ。
あと、プロデューサーの反応を見るかぎり、プロデューサーはそっちの人じゃないみたい。
安心したぞ。
「それにしてもあなた、相変わらず地味な服装ね。靴と」
スタイリストの男は値踏みするような目つきでプロデューサーを上から下まで見渡すと、いきなりプロデューサーのシャツの裾をまくり上げる。
「うわぁ!」
「……ベルトはそれなりに良いものを使っているみたいね」
「お、お、お、男が男の服を剥かないでくださいよ!」
「あら、失礼。いい男だったから、つい」
「俺なんかよりカッコイイ男のモデルとか仕事で会うでしょう」
「そういうのとは、また違うのよ」
「勘弁してください。そういう趣味はないんですから……」
「でも、冗談は抜きにあなたの服を見立ててもいいわよ。あなたなら、この店の服を買うだけのお給料はもらっているでしょ?」
「いや、今日見立てて欲しいのは」
そこまで言って、プロデューサーは自分の方を見た。
つられて自分の方を見たスタイリストの男は不思議そうな顔をする。
「あら……この娘って961プロの」
「ええ、我那覇響ですよ」
「……大丈夫なの?」
「今日はお互いにオフで、たまたま同じところにいるだけですよ」
「……まあ、あなたがそれでいいなら構わないけど。うちは先客万来だから」
「ありがとうございます」
「ふふっ、それにしてもあなたも隅におけないわね。春香ちゃんというものがいながら」
スタイリストの男は、含み笑いをしてプロデューサーの方を見る。
どういうこと?
自分のそんな気持ちに、気づいたのかスタイリストの男は自分に向かって話しかけてくる。
「あなたが初めてなのよ。このプロデューサーが自分以外に誰かを連れてきたの」
「えっ?」
「春香ちゃんも連れてこなかったのに。あなた、この人に相当惚れ込まれているんじゃない?」
「ほっ……!」
自分がプロデューサーに惚れ込まれている。つ、つまり、それってプロデューサーは自分のことがすすすす……好きってことか?
寄せて上げるをつけてきて正解だったかもしれない。
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