過去ログ - 【咲:安価】京太郎「……家が無い」桃子「20っすよ、京ちゃんっ!」【鶴賀】
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108: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/12/20(木) 20:21:02.12 ID:l7Rp1gQl0
桃子「……ひっく……ひっく」

一通り泣き終える。

もう涙は枯れ果てた。

でも、嗚咽は止まらないし、悲しみも止まらない。

今日、明日、明後日と過ぎても、止まらないかもしれない。

止まるわけがない。

こんなにも愛しい彼だ。

自分の全てを投げ打ってでも愛し続けたいほど愛しい人なんだ。

なのに、どうして、こんなにも愛しているのに。

桃子「……っく……ぅ」

……でも、見えないものは仕方が無い。

仕方が無いはずはないが、どうしようもない。

どうしようも無いっす。

桃子「……」

漸く力の入り始めた足でかろうじて立ち上がる。

呆然と見つめる彼は、時計を見ていた。

時刻はいくつだろう……そろそろ待ち合わせ時間を過ぎただろうか。

桃子「……」

このままだったら、京ちゃんは一回帰るっすかね?

それとも、電話くらいするっすかね?

電話なら通じるっすかね?

――それでも、私を認識してくれないっすかね?

桃子「……っ」

ぶる、と身震いした。

――そんなこと、耐えられない。

今でさえ、こんなにも、消えてしまいたいほど苦しいのに。

京太郎「……おっそいな……」

京太郎「寝坊でもしたのかな……」

いいえ、私は楽しみすぎて寝付けなかったっす。

クマは何とか隠したっすけど、それでも、寝付けなかったっすよ?

こんなにも楽しみにしていたっす。

桃子「……」

――もしも、このまま彼が私を認識してくれないのなら。

……そうしたら、きっと全世界が私を認識してくれないのだろう。

唯一私を見てくれる彼が見えないっすもん、他人に見えるはずが無いっす。

……それなら、私はどうしようか。

どう、生きていったらいいだろうか。




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