45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/30(日) 23:01:32.24 ID:dlefWGSko
「ああ、彼女は……言ってしまっても良いかい、ほむら?」
一瞬の逡巡。美国織莉子のシステム外にいる自分を、キリカがどう評するのか。
しかし目配せにて肯定する。一体どんな言葉がその口から飛び出してくるかはわからないが、協力を要求した相手に対してそうそう粗忽な態度は取らないだろう。
ほむらはスパークリング・ウォーターを飲んで気取って見せた。
そんなほむらの期待を盛大に裏切る説明が、キリカによって為される。
「彼女は、私の友達さ。L.O.Lの創立当初からの、ね。なんてったって、L.O.L.の一番最初のサイトは彼女の作なんだからね!私の、誇らしい友人だよ!」
ぶふぅっ、と口に含んだ炭酸水を噴き出してキリカの顔にぶちまけた。
「うわぁ!ばっちぃじゃないか暁美ほむら!」
びしょびしょになった顔をナプキンでぬぐうキリカの、当然の抗議をスルーしてほむらが言う。
「友達?貴女が、私と?冗談でしょう?」
ほむらのアミラーゼが含まれたスパークリング・ウォーターで、びしょびしょになった顔を拭きつつキリカが言った。とても、はっきりとした口調だった。
「いや、友達だよ。少なくとも、かつては友達だった。そして、特段喧嘩をしたわけでもなく痴情のもつれもない。関係はまだ続いてるだろう?だから友達さ」
目を丸くして、少女が言う。
「すっげぇ!じゃぁ滅法強いんじゃん!?」
「うん、今この世界で一番力の強い魔法少女だろうね。
なによりも魔翌力の桁が違う。彼女が本気でL.O.Lを潰そうと思ったら、きっとそれを阻むには多大な犠牲が払われることになるだろう。
もちろん、私もその勘定には含まれている。まぁ、敢えて秩序をどーたらしようという意思はないだろうから、そこんとこは気にしなくても良いだろうけどね」
キリカの言う通りで、ほむらにその気はない。
曲がりながりにも、現在の魔法少女社会には秩序があり、一定の平穏がある。
そこを崩すのは大いなる混沌と幾多の悲劇を生むことになるだろうし、当然のことながらほむらの一番の友達――鹿目まどかはそんな事を望んだりはしないだろうから。
だが、
「褒めたところを悪いのだけれど、私は貴女の友達などではない。――そう、志を同じくする同志、といったところかしら。
飽くまでも、アレを倒すために利害の一致した同志に過ぎないわ」
「寂しい事を言ってくれるね、ほむら。私はキミの事を、ずっと友達だと思ってたってのに」
キリカは困り眉になった。
「あれだけ和気あいあいとくっちゃべったりなんだりしたっていうのに、キミも随分と薄情になったもんだね」
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