過去ログ - 木場真奈美「木場サンタ?」
1- 20
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 14:17:20.17 ID:c0RIlJVf0
しかし、聞いていると歌声などはないものの、明らかに曲調は伴奏と言った風で、あるべきはずの歌だけがそこにないという感じがした。
音質も妙に悪く、砂嵐のようなサーという音が常につきまとう。

「これはインストルメンタル…… いや、どちらかといえばカラオケ版だな」
「あ、最後の曲ですか〜?」

違和感を覚えつつ聞いていると、私の前にイヴが横からひょいと顔を出す。
どうやらイヴにとっても、この曲は気になるものらしい。

「私、この曲ってすごいポピュラーなのかと思ってたんですけど、プロデューサーは『この曲だけは何をどう調べても正体が分からない』って言うんですよね〜。元は私のおうちにあった伴奏だけ入ったカセットテープで、とりあえずそれを入れてもらったんですけど〜」
「……となると、イヴは歌のついた原曲を知っているのか?」

どうやら出自も通常の曲とは違うようで、この曲がこうして私の耳に届くまでの経緯をイヴは事細かに説明してくれる。

「はい〜、いつ覚えたのか自分でも分かりませんけど、カセットを聞いたら自然と英語の歌詞が口から出てきたんです〜。きっと小さい頃にでも聞いていたんでしょうね〜」
「ふむ……案外、イヴの身内が作った曲だったりしてな。曲調も……君らしい雰囲気が伝わってくる」
「あ、それプロデューサーにも言われました〜! 私ってこんな感じのイメージなんですね〜、なんだか自分の曲みたいで嬉しいかもです、えへへ〜」

奇遇なことに私とプロデューサー君は同意見だったようで、それを聞いたイヴも上機嫌だ。
曲について話すイヴはとても嬉しそうで、彼女の持った思い入れがありありと伝わってくる。

「プロデューサーも気にいってくれたみたいで〜。カセットをお貸ししたら『歌も聴かせてくれ』って言われて、録音までして〜。なんと、全部まとめて楽譜まで作ってくれたんです〜」
「……すごい気合いの入りようだな。今度言って見せてもらうか」

プロデューサー君としてはイヴのためもあるだろうし、そうでなくても何かが気になって仕方ないときというのも往々にしてある。
何か始めると栄養ドリンク片手にどこまでも突き進むのが彼の常だ、なにかひっかかるものがあって、つい燃えてしまったのだろう。
かくいう私も、少しこの曲に心惹かれるところがあった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
100Res/129.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice