80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:37:17.10 ID:c0RIlJVf0
レッスンルームに入るなり私はパソコンを立ち上げ、プロデューサー君の作った楽譜とやらを死にものぐるいで探す。
イヴが歌ったというファイルもだ。
そして同時に、海外にいた頃一緒に仕事をしていた盟友に、久方ぶりの電話をかける。
「やぁジニー、久しぶりだな。メリークリスマス」
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:39:31.99 ID:c0RIlJVf0
時刻は朝8時半。
始業時刻にはまだ早いが、私はそんなことを気にする余裕もなく、収録した曲の編集に掛かりきりだった。
焼いたケーキはきっかりデコレーションまでして、保冷剤と一緒に箱に入れ、すでにイヴの寝ている休憩室のテーブルに置いてきた。
これで一日遅れながらも、誕生日プレゼントはなんとか準備できたことになる。
そして、今編集の終わったCDを焼き上げ、盤面にしっかりメッセージを書き、CDプレイヤーに突っ込んで何か間違いがないか確認し――
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:46:16.09 ID:c0RIlJVf0
「ヒィッ!? き、木場さん!?」
「あぁっ、すまない幸子――え? なんで笑いながら泣いてるんだ?」
……急に開いた扉に誰かが驚いたかと思って声の主を見ると、そこにいたのは普段より特別おしゃれをした幸子だった。
最高の笑顔を浮かべながらむせび泣き、真新しいネックレスを握って離さない。
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/27(木) 16:29:04.62 ID:c0RIlJVf0
こんな中途半端な所で申し訳ありません、事情により投下を一時停止します
夜にでもまた続きを投下します
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/28(金) 22:23:48.51 ID:VPtw03IO0
な、なんて男前なサンタなんだ……っ!
これは惚れる……っ!!
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/28(金) 23:39:23.78 ID:MuwTAkC/0
なぜここで止まってるし
マジで続き気になるから作者帰ってこい頑張れ
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:10:40.12 ID:3mvhgf9F0
本当にすいませんお待たせしました
今から投下します、残り少ないのでお付き合いいただければ幸いです
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:15:33.57 ID:3mvhgf9F0
「あ、木場さんおはようございます!今朝誰かがここでケーキを作ってたみたいなんですけど、何か知りませんか!?」
「……サンタさんが勝手に作って食べちゃったんじゃないかな」
「は、はい!?」
階を上がっていくと、ちょうど3階の階段でかな子に出くわし、いきなり食って掛かられる。
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:18:37.31 ID:3mvhgf9F0
「そういえば仁奈はずっと4階にいたのか?」
「10分ちょっと前に来ましたです。そこのテラスに用があったですよ」
「用?」
イヴの寝ている休憩室へ向かう途中、話を聞いてみるとやはり仁奈は少し前からテラスにいたらしい。
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:20:35.18 ID:3mvhgf9F0
「……まだ寝ているな?」
仁奈がほんの少し立ち入ったという話だが、特に休憩室には異常は無い。
イヴも相変わらずぐっすりのようだ。ブリッツェンまでもが寝入っていた。
“あの曲”のCDを、ケーキの箱の上にそっと置く。これでクリスマスプレゼントの方も、準備完了だ。
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:25:20.15 ID:3mvhgf9F0
※ ※ ※
目覚めてみれば、朝でした。びっくり。
いえ、朝に目が覚めるのは当たり前なんですけど、そうではなく。
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:28:10.08 ID:3mvhgf9F0
「そうです、この紙の箱も……中身は〜……?」
思わぬプレゼントに感涙を流しながらも、今度はテーブルの白い厚紙の箱を見据えます。
一辺約30センチ、こぶしの先から肘よりちょっと短いくらい? これはもしかすると、もしかするのでしょうか。
期待に胸を高鳴らせながら、箱の横側をそっと開くと。
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:33:11.08 ID:3mvhgf9F0
「――というわけで、木場さんはこれからテレビ局へ営業、というか挨拶ですね」
「KIBA'Sキッチンねぇ…… 短い時間とはいえ、私のレギュラー番組なんて取れてしまっていいのか?」
「クリスマス特番で他の出演者がケーキやクリームシチュー作ってるかたわら、淡々とかっこよく七面鳥を作ってみせる図が大ウケだったらしくて……向こうさんが是非とも、と」
「そうか……いや、心の底から嬉しいよ。プロデューサー君からのクリスマスプレゼントだな」
「ははっ、そう思ってくれるのはありがたいですが、木場さんの実力あってこそです。11時に着けばよし、場所も近いし車で送るので、10時くらいまではゆったりしていて大丈夫ですよ」
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:34:29.55 ID:3mvhgf9F0
「はぁはぁ……あ〜っ! 木場さん!よかった、まだいてくれたんですね〜!」
――階段を転げ落ちるような勢いでイヴが下りてくる。
私はその様子を見ると、やっと来たかと、心が躍るのが自分でもよく分かった。
たぶん今の私はいじわるな笑みを浮かべていることだろう――そう思いながら、しれっとイヴに応対する。
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:37:30.37 ID:3mvhgf9F0
「私、うれしくて涙が出そうです〜! ありがとうございますっ!」
「おいおい……お礼は私にじゃなくて、サンタさんに言ってやれ」
長い髪が跳ね上がるのもかまわず、力強くお辞儀をするイヴ。
しかし私は、ちょっとした困惑顔を作りながら、なおもとぼけて言い返してみた。
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:50:49.15 ID:3mvhgf9F0
これで終わりです。
誤字や細かいつじつま、なによりクリスマスSSなのに今終わったりと大変見苦しい出来で申し訳ないです。
読み返しながら、木場さんSR化を初夢に見られるよう祈るとします。
こんな長いSSをわざわざ読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/29(土) 23:11:20.83 ID:uX0oiDnio
おつおつ
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/29(土) 23:48:56.52 ID:76E6NNR60
おつ
このサンタ欲しいなあ…
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/30(日) 03:55:01.40 ID:vJ9aZWdV0
おっつおっつ
何だこのサンタさん・・・イケメンすぎる
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/30(日) 10:29:10.35 ID:XIibUl8No
クリスマスなんて無くなれば良いのにとか思ってた先週先々週の俺をぶん殴りに行きたくなった
お疲れ様でした
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/31(月) 22:50:37.61 ID:yzr37J7I0
もう年越しだが乙
木場さんやイヴへの愛あってこそだな
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