79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:30:18.84 ID:c0RIlJVf0
私にもたらされた天啓はそれだけではなかった。
ポケットの中身をひっくり返した時、なにかがこぼれ落ちるのを感じる。
チャリンと、軽い響きが耳に届いた。
「……鍵? これはどこの――!」
地面に落ちたそれが何なのか。私は言い終わる前に理解した。
瞳子さんと話していた時、鍵束にうまくはまらず、まとめてポケットに突っ込んだ――あのレッスンルームの鍵だ!
あの部屋があれば、音楽関連で出来ないことはそうそうないと言っていい。録音、編集、なんでもござれだ。
この選択肢が生まれた瞬間、私は持ち前の歌を活かして、プレゼントを用意できないかと考えた。
――そして、プレゼントの候補にも、すぐに思い当たるものがあった。
あのビルの屋上でイヴが見せてくれた、あのMD。
「トラック11――『From P to Eve』……! 確かプロデューサー君は楽譜まで用意していたと……」
レッスンルームには機械を管理するためのパソコンが備え付けてあり、音楽関連の作業をそこで行うプロデューサーも多い。
私は考えるより先に、レッスンルームへと駆け出していた。
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