3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/28(金) 22:08:06.43 ID:TAqxv/he0
◆
「ただいま戻りました」
既に深夜だった。
貴音は誰もいないだろうとはわかってはいたものの、どうしても中途半端には出来ない性分のために一度事務所に戻ることにした。拾ったタクシーを降り、真っ暗な事務所の扉を開ける。鍵はかかっていなかった。小鳥や律子が閉め忘れて帰ったのだろうか。不審に思いつつも疲れきっていた身体を一度休めようと事務所に足を踏み入れ――電気をつけ、そして貴音はひっと低く悲鳴を漏らした。
事務所の中はひどい有り様だった。何かのお菓子の袋がいくつも落ちており、空の缶ビールや空き瓶なんかがそこかしこに散らばっている。視線を事務所の中心に持っていくと、そこには泥酔して眠ってしまったらしい響の姿があった。
「響っ」
貴音は慌てて響のもとに駆け寄った。デスクに突っ伏し眠っている響のポニーテールが小さく揺らぐ。
何度も身体を揺すり、ようやく響は目を覚ました。
「ん、貴音……?」
どうやら意識は一応はっきりしているらしい。頭が痛いのか、響は頭を犬のようにぶるぶる回して顔をしかめた。
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