過去ログ - 京太郎「救われぬ愛に救いの手を」
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3: ◆VB1fdkUTPA[saga]
2013/01/01(火) 05:10:16.79 ID:FkhuXWcNo


『どうしてこうなったんだ』

そんな問いは意味ないものだ。

京太郎がこうして拘束・監禁される前。

ある一人の女とよく言葉を交えていた。

京太郎の為す行為に小さく、あるいは大いに笑っていたのが印象深い女だ。

そんな、女。

あの女の家にと招かれたその瞬間が、今の状況へと繋がっている。

食事に薬を盛られ、監禁。

監禁当初の混乱から冷め、少しの余裕を持ち始めた時、見事な手際だと感心したものだ。

京太郎が小さくクシャミをする。

地下室であった。

季節はまだ日が強い時期であるが、逆にここは冷えすぎる。

何も言えず震えていると、ドアが開く音。

地下室から地上へと繋がるドアが開き、光を暫くぶりに取り込む。

眩しい。

京太郎が目を細めて見上げる。

光をバックに、人影があった。

京太郎を拘束した女だった。

???「――――」

寒いのか?

女が問う。

寒い。

京太郎はそう答えた。

女が微笑む。

なら、暖めてあげる。

そう告げて、己の服に手をかけた。

衣擦れ音、衣服が床に落ちる音。

光のシルエットから服の輪郭が消え、女特有の丸みを帯びた肉体。

それがゆらゆらと揺れながら、京太郎へと覆いかぶさる。

『愛してる』  『暖かいね』  『気持ちいい?』

そう、無邪気に。

自分だけが独占できる宝物を楽しむように。

京太郎は一人、己の上で女の顔をする、愛欲に満ちた少女を濁った目で見つめていた。

香りがする。

それは、淫ピな匂いではない。

何処からともなくやってきた、ガソリンの香り。

家の外で、空のポリタンクを持った女が小さく笑っていた。



――――京太郎の意識が喪失、そして巻き戻されていく。
【→最初から】


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