過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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27: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/05(土) 15:36:36.88 ID:wOPwqajX0
「アンタも幸せになんなきゃだめだよ。マミちゃん」

次にあった時は携帯電話の番号とアドレスを交換しよう。心に誓った。ほむらの思惑なんか知るもんか。仲良くしてやる。
もう、失わない。



その日、ほむら宅にてシュークリームを出しながら報告を行う。

「接触は悪くなかったわよ。マミちゃんのカミングアウトも聞けたし、収穫は多かったんじゃないかな」

「ふぅん、なかなかね。で、白い珍獣は見なかった?」

ネミッサの差し出したシュークリームを一緒に食べながらほむらは尋ねる。難儀な人生を歩むほむらも、甘いモノはキライではないようだ。むしろ好きなのだろうか。最初は断られると思っていたのだが、すすめるまでもなく手にとったあたり、やはり一般の女子中学生程度には好きなのだろう。

「インキュベーターってやつ? うーん、見なかったなぁ。見られるとヤバイの?」

「奴が魔法少女の契約をして回るのよ、いわゆる元凶ね。甘言で契約を迫るはずだけど、取り返しのつかないことになる」

「まー、悪魔と契約するようなものね。よほど慣れてないと魂食われるあたり似てるわ」

「……どこまで知っているかわからないけれど、それを巴マミやほかの魔法少女に気取られないようにして」

「わかってるわよ。自分が怪物になるなんて知ったらどうなるかわかんないもんね」

(いったいどこまで把握しているの!?)

ネミッサの無造作な言いように顔色を変える。

「大丈夫。アタシだってそんなこと言いたくないよ。マミちゃんが可愛そうだよ」

「気を付けてほしいものね」

ネミッサの顔から明るさが消える。仏頂面のままシュークリームにかぶりついた。
生地から漏れたクリームが指につく。不作法に指を舐めながら会話を続ける当たり、ネミッサの育ちの良さがでている。ほむらが一瞬嫌そうな顔をしたが、ネミッサはあえて無視した。このあたり、お互いが反りが合わない部分である。
ネミッサにとって、願いや願望は自分の力でなすものであって、原理もわからないものにすがるつもりはさらさらなかった。一回の譲歩で無限の要求をつきつけるのが悪魔のやり口だが、人が集まる国家間においても似たようなことが起こる以上、交渉とか契約というものにはそういった側面があるのかもしれない。

「そんなことよりさ、そろそろ転入日でしょ。その日に動きがあるんだよね」

「そうね、そのためにも巴マミと仲良くなっておいて」

「アンタに言われなくても仲良くするよ。あの子いい子だもん、アンタと違って」

「……協定を破棄してもいいのだけれど」

「最悪破棄されたって、勝手にアンタのこと手助けする気だけどね」

「いったい貴女は何がしたいのよ……」

「言ったって信じてくれないよ。アタシもそのうち説明するから、それまで待ってて」

意向返しといったところか、憮然としたほむらの顔がちょっと見ものだった

「いつか泣かすから、覚悟しなさい」

「はいはい、出来るものならね」

ほむらは、同じ言葉をあっさり流す。こう何度も聞かされても迷惑でしかない。

(私は泣かないって決めたんだ)


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