過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/19(土) 22:35:42.09 ID:lOJU2yWX0
思わずイラついて通話を切ってしまった。
ほむらは携帯をしばし見つめ、向こうからの発信が来ないので、
今からこちらに来るのだろうと溜息をついた。
消極的に受け入れた形だ。
とはいえ、彼女はうるさくしないし、
料理をしない代わりに出来合いのものをきちんと買ってくるし、
マミから教わったのか米を研いで炊くくらいはやる。
洗濯はしないが杏子のように脱ぎ散らかすことはしないし、
説明すれば素直にやるから洗濯機の使い方くらいは
教えればいい。心配は取り返しがつきにくい色物くらいだろうか。
「念のためアイロンがけは自分でやったほうがいいわね」
もう一つ懸念が思いついたが、チャイムの音に掻き消された。
ドアを開けて迎え入れたネミッサは、この暑さの中汗一つ
かいていない。これが悪魔の体質なんだろうか。肩の傷跡を隠すためか
色の濃い七分袖シャツを着ている。珍しく似合わない、
つばの狭いストローハットを被っているので、一瞬見間違えた。
「ごめんね」
本当にすまなそうにするのがネミッサの可愛さである。
ほむらは悪態の一つでも付くつもりだったが、気勢を殺がれたかたちだ。
このあたり、ほむらもワルに徹することができない善人でもある。
「まぁいいわ。できる範囲でいいから家事を手伝ってもらえれば」
「うん。ついでに家賃払うわ。稼ぎあるし」
といって、一か月分の金額を渡そうとする。そのあたりの機微に彼女は
とても疎い。マミ宅でも全額出そうとして慌てられていた。
その際も相場と同額を出して、マミに諭され半分に変更したらしい。
「そんなにいらないわよ。そもそもそんな長居するの?」
「センターくらいまではお願いしたいのだけど、駄目?」
多分そこまでもたない。多分三日くらいで音を上げるはずだ。
それまで我慢すればいい。ほむらはもう一度こっそり溜息をついた。
お礼とお詫びにと、シューアイスを買って来たらしい。すぐに
食べないので冷凍庫にしまうと、ほむらは机に向かう。
ネミッサのほうもノートPCを開けると立ち上げる。コンセントを
借りると一言断ると、電源を入れる。
「あら意外」
「仕事で持たされたわ。軽いのが救いね。煩かったらごめん」
ビジネスマンみたいだと、ほむらは驚いた。ブラインドタッチも
それなりにサマになっていた。メールの返事をこなしているらしい。
以前の話では『葛の葉』に登録した魔法少女や候補生のリストを
更新しているとのこと。
(本当に、頑張ってくれてるのね)
……借金してまで、見滝原を守ったのだ。自分と関係もない街を。
(わたしたちのために)
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