過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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47: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/05(土) 16:09:29.04 ID:wOPwqajX0
四人の少女たちをマミは招き入れる。マミは体力が減っているネミッサをベッドに寝かせたのち、おもてなしをしようと紅茶とケーキの準備をする。明るいその姿勢にほむらは呆れた。先ほど死にかけたとは思えない朗らかさだ。どうやら、マミにとって来客というのは非常に珍しく嬉しいものらしい。悪い言い方をすれば「ぼっち」といわれるタイプだ。マミの名誉のために断っておくが、実際には本人のコミュニケーション力の問題より、魔法少女の事情のほうが大きい。むしろ世話焼きのお姉さん気質であるため、まどかとさやかは良い先輩として憧れていた。もちろん、ほむらも。

「さぁ、召し上がれ」

先ほどまでの険しい表情などどこへやら。いつもの、いやいつも以上の愛らしい笑顔が眩しい。だが、そのせいかまどかやさやかはネミッサの惨状を引きずらずに済んだ。危険な状況を脱したのもあり、ひょっとしたらそれを狙ったのかもしれない。

「マミちゃん、ちょっと落ち着きなよ。なに舞い上がってるのよ」

ベッドに臥せ、顔色こそ良くないものの軽口を叩くネミッサ。ちょうどそのそばに座っていたさやかがその額を叩く。ぺちん、といい音がする。

「あんたは寝てなさい。もう、すっごい心配したんだからね!」

「うん、私も……、なんだか……落ち着いたら……」

まどかはマミの朗らかさに安堵したせいか涙目になってきている。やはりこの二人はよい子だ。出会って数日もないネミッサを受け入れ、心配してくれている。

「マドカちゃんはよく頑張ったよ……、一人だけ結界の外に行くのは辛かったよね?」

まどかの気質はネミッサにもよく分かる。ベッドに臥せた無理な姿勢で、無事な左手であやすようにまどかの頭をなでる。一瞬ほむらと目が合い、慌てたように引っ込める。なんだか非常に怒っていたような気もする。ちょっとだけ怖い。

「ホムラちゃん、先走ってゴメン。アンタに迷惑かけちゃったね」

「ほんとさ! 私にもまどかにも謝れ!」

「うう、悪かったわよ……、とっさのことなんだもん……、マミちゃんにエラソーなこと言ったのにね」

「ネミッサ。気にしないで。あなたがいなかったら、どうなっていたかわからないわ」

「んなことないよ。ホムラちゃんだっていたんだし。アタシ齧られ損ね」

マミがほむらをリボンで結束していたなどと露にも思わないネミッサは朗らかにいう。一瞬マミの表情がこわばったが、ほむらは素知らぬ顔だ。
顔色の悪いながらも落ち着いてきたためか、軽口がでる。しかしこのままでは今夜は熱が出るかもしれない。人間の体を模して構築したのが裏目に出た形だが、それは仕方ないことと開き直ることにした。そうでなければ人間の友達などできるはずもない。少なくともネミッサはそう思い込んでいる。

「今日はここで休みなさい。ご飯も作ってあげるし、あーん、とかしてあげるから」

「それはさすがにハズカシイんだけど……。あ、でもホムラちゃんのところだと……ねえ」

「な、なによ。看病くらいしてあげるわよ」

「三食栄養補助食品と野菜ジュースで過ごす家で、どう栄養取れっていうのよ」

「ほむらちゃん、いつもお昼早いなーと思ったけど、それホント?」

「暁美さんの体の細い理由が解った気がするわ。ちゃんと食べないと倒れるわよ」

「い、いいでしょう別に。ネミッサの看病をするならおかゆくらい作れるわよ」


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