過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:34:18.12 ID:WjAemYY10
再び話があると、魔女退治にでるほむらはネミッサを連れて外に出た。やや夕暮れが近づく。さすがにネミッサが戦闘に参加できるとは思えないが、少し歩き体調を見たいと半ばマミを説得し外出許可をもらった。
「ホント、甲斐甲斐しいわね。助けてよかった。友達になれて、よかった」
朗らかに笑うネミッサ。吊るした腕はまだ本調子ではないが、すぐに元通りになるだろう。マミの願いは命をつなぎとめること。腕をつなぐ治療の魔法はお手の物なのだろう。
「聞きたいことがある」
「ん、なに?」
いつにも増して真剣なほむらの顔に、ネミッサはからかう言葉を失う。真正面から斬りつけるような目に圧倒される。何かある、尋常でないことが。それが何か解らず狼狽する。
「貴女、本当に何者?」
「何よ急に。アタシは女悪魔のネミッサ。それは説明したし、証明もしたでしょ。魔法駆使する人間が魔法少女以外にそんないるわけないじゃない」
「いいえ、それだけじゃないわ。貴女、どうやって巴マミと接触したの?」
「それも説明したよね。下校途中のマミちゃんに半ばナンパっぽく声かけたって。アンタの知り合いだってこと黙ってたの、結構怒られたわ」
「ええ、そうね。でも私……」
一旦言葉を止める。必殺の言葉を放つためだ。
「マミの自宅は教えていないわ」
心臓の鼓動が早くなる。
「何言ってんのよ、教えてもらったのはマミちゃんによ?」
「そうね。……ならなぜ、『巴マミに会う前に』彼女の自宅を知っていたの?」
早鐘のように心臓が騒ぎ出す。まずい、ほむらに疑われている。
「アタシだってハッキングくらいできるんだけど?」
「昨今の個人情報保護によって、ネットワークに情報を置くような真似はほとんどしていないわ。少なくとも私達の学校はね」
ほむらは完全にネミッサを疑っているようだ。ある程度ウラを取るため一日開けたのか? 職員室にでも忍び込んで調べたのだろうか。大胆な子だ。
「それに、貴女は私と使い魔退治の時言っていたわ。『道順を一度くらいじゃ覚えられない』とね」
冷や汗がでる。顔に出すのは何とか封じたが、もはや取り繕うことはできない。
「その、道順を覚えるのが苦手な貴女が、なぜハッキングしただけで『巴マミの下校ルート』を覚えているの?」
マミの下校ルートを遡って接触したことを話したことが完全に裏目に出た。浮かれて余計なことを言ったのは確かだが、そんな些細な、実は重要なことを覚えていたなんて。
ネミッサは失敗を悟った。
「要は、アタシを信用できなくなったわけね」
「何が目的? やはりインキュベーターの差金?」
詰問が厳しくなる。この吹き出す殺気を中学生が出していいものか。ネミッサは負い目もあり完全に気圧されてしまった。返す言葉も無く、ネミッサが立ちすくむ。
「協定を解消することはないし、巴マミとまどか、美樹さやかを救ってくれたことは感謝するわ。美樹さやかのことは放っておいても貴女なら手を出すでしょう」
だからさきほど情報を伝えたのか。アレならマミに多少聞かれても問題はない。そういう心配をしていると言えばいいのだから。最悪隠し事にしたのもマミのためといえばいい。
『さやかが魔法少女になると知ったら、マミは無理をするに決まってる。まだ契約していないのだからあえて貴女には隠した』
とか取り繕うこともできるし、マミも今なら多少疑いがあっても進んでほむらの言うことを信じるだろう。
「巴マミたちは貴女を信用するだろうけれど、私は信用できない。言いたいことはそれだけよ」
そう言い残すと、ほむらは振り向かず立ち去った。キビキビした足取りが虚しくアスファルトに響く。
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