過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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7: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/04(金) 20:55:27.13 ID:yAr9XARu0
(テレビ画面から出てきて、それを悪魔以外にどう表現すればいいんだ)

ネミッサは心のなかで愚痴る。

「信じないのは無理もないけど、信じてくれないと話進まないんだよね。いっそ目の前
で電撃カマせばいいのかな?」

「そんな手頃な奇跡は間に合ってるわ。協力は考えておく。面会時間はもうとっくに過ぎてるから、今日のところはここまでにして頂戴。明日、貴女が役に立つか確かめる。いいわね」

「ふぅん?」

「魔女と戦う力がないと協定は無理ね。諦めて頂戴」

ここで具体的に落ち合う場所や約束をしない時点で、彼女はネミッサにまるで期待していないことがわかるが、ネミッサは気付いてもいない。お気楽と言えた。
ネミッサにはこの声が虚ろに聞こえてならない。全てを諦め切った声。本来ならその煮え切らない態度は好ましいものでないどころか、嫌悪の対象でもある。だが、そこに不思議と腹が立たないのは、ネミッサには外見とは全く別のものが見えているからだろう。
髪は三つ編み、顔を隠すようにかけた眼鏡とそれを覆い隠す前髪。背中を丸め、両手を前で組み、おどおどしている少女。病気がちな体を憂うため自信がなく、顔を伺うような上目遣い。今いる凛々しい美少女とはかけ離れた弱々しい姿が、ネミッサにはちらちら見える。

「あのさ、協力持ちかけといてなんだけど、何その言い様。気に入らないわね」

「奇遇ね、私もそう思うわ。協力したくないのであれば別にかまわないわよ」

「わ、わかったわよ。協力させてください……」

「よくわかってるじゃない。それと、私は『暁美ほむら』よ」

「そう、よ・ろ・し・く・ね。ホムラちゃん」

ほむらは一瞬苛立った顔をしたが、しっしっとばかりに手を振り追い払った。

(どうしてすぐに出ていかなかったんだろう。本当に私に協力したかった?)

頭を振り、その思いを振り切る。もう誰も頼らない。そう決めたのだから。
ただ今までの繰り返しの中で、こんなイレギュラーが発生したことはない。もちろん何もわからないが、わからないなりに利用してやろう。そう思った。
もちろん罠の可能性もある。だがそれでも構わない。自分の目的を果たすだけだ。



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