過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
1- 20
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/06(日) 22:40:42.95 ID:K9cYRHgB0
結局さやかは助けられなかったか…


87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/07(月) 01:20:02.19 ID:m3xtEeuzo
>>85
相棒出番無いん?


88: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:16:16.03 ID:i9eeC+ki0

筆者です。

今夜三章の後編をお送りいたします。

以下略



89: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:17:18.53 ID:i9eeC+ki0
杏子は結界の中にいた。腕の中には身動ぎひとつしないさやかを抱きしめ、騎士風の鎧を身につけた魔女と対峙していた。だが、杏子の方は戦いに望む精神状態ではない。
『魔法少女が魔女になる』という驚愕の事実に囚われて動けずにいた。
それを救出したのはほむらだった。戦えない杏子の腕を取ると時間停止を駆使し離脱を行う。杏子はそれでほむらの手品を理解した。そして同時にほむらの強さの根源を知り、飲まれたように唯々諾々と従った。
結界から出て、行き着く先はちょうどまどかの座るベンチのそば。ほむらは何かを狙ってそこに移動したのであろうが、杏子は混乱して、そこまで気が回っていない。
さやかの『遺体』をまどかに見せるつもりのようだ。まどかの契約の意思を完全に挫くつもりだったが、先のまどかとQBをの会話から、それは得策ではないと思ったのだろう。何も言わずただ立ち尽くしていた。
以下略



90: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:18:24.70 ID:i9eeC+ki0
立ち直ったマミは、泣きじゃくり続けるまどかの肩を抱く。なんでこうも自分が辛い時に彼女は人を慮ることができるのだろうか。気高い優しさ。ネミッサは、マミの友人になれたことを誇らしく思う。そして、その友人に出来ることをしたかった。涙を拭うまどかのためにも、さやかのためにも。
そのためにも、ほむらに向き合う。

「アンタも協力しなさい」

以下略



91: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:18:54.52 ID:i9eeC+ki0
ネミッサは業魔殿に行く。

「メアリ、遅くにゴメン」

受付で書類を整理していたのだろう、メアリが顔を上げる。その顔に明確な表情は浮かんではいない。なまじ表情が多くて迷惑そうな顔をされても困るのだが。
以下略



92: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:19:53.68 ID:i9eeC+ki0
日付が変わってから見滝原に戻ったネミッサは、音を立てないように静かにマミのマンションに行く。幸い、合鍵を預っていたので静かにドアを開ける。……まぁ、そこに、マミが起きて待っていたわけだが。
傍から見てわかるほど怒っていた。どうもマミはネミッサを過保護に見る傾向にあるのだが、今夜の勝手な夜遊びを待っているとは思わなかった。

「そこに座って」

以下略



93: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:20:42.75 ID:i9eeC+ki0
「時間を巻き戻すことができるのが、アンタだけだと思う? アタシもできるんだよ。条件付きでね」

ほむらの表情にはっきりと驚きが浮かぶ。ほむらの頭の中にネミッサが自分と同じ時間遡行者という考えがなかったわけではない。だが、自分の能力の特異性から、その確率が低いと踏んでいた。故に、自分と同じ情報を持つネミッサを一時は敵と認定したのだ。だが、ネミッサにも誰にも未だ時間遡行のことは話していない。それだけでもほむらには充分衝撃だった。

「少し整理する時間をあげる。他の子にはアタシの生い立ちをね。信じてもらえるか、わからないけど」
以下略



94: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:21:32.04 ID:i9eeC+ki0
「あ、あの、ネミッサちゃん……、なんで、ほむらちゃんと一緒に戦うの?」

その中でまどかが搾り出すように尋ねる。ほむらが最も聞きたいのはそこだったはずだ。衝撃の中で早く立ち直れた理由は不明だが、困惑した顔でじっとネミッサを見つめる。酷い言い回しをすれば彼女は無関係のはずだ。

「リーダーを助けるどころか、自分の手で殺した話はしたっけ。……それが嫌で、何度も繰り返したのよ。天海市での出来事をね」
以下略



95: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:22:41.87 ID:i9eeC+ki0
ネミッサが初めて見滝原に来たのは暦の上では二ヶ月ほど前。流離うように見滝原を目的もなく歩きまわった。そして……あの災害に出会った。その当時は初めて憑依した十八歳の女性の姿をモデルにしていたため、今ほど街を歩くことに問題はなく昼夜を問わず遊び回っていた。
二ヶ月後、それは現れた。巨大な魔力を放つ大きな嵐に興味を持ち近寄ると、黒髪の美少女がいた。
それがほむらだった。
真っ黒な髪と美貌、魔法少女の白と紫、黒の衣装はそれだけで神話から抜けだしたような美しさだった。それがネミッサには知覚できないなにかと戦っていた。拳銃を、重火器を、果ては戦車や戦闘機を繰り出しては嵐の中心に攻撃を加える少女。だがそのいずれも嵐に致命打を与えるには至らなかった。ネミッサが見るに、物理的な運動エネルギーに対し耐性があったように思えた。……つまりほむらには倒すことが困難だということだ。
みるみるうちに傷付くほむら。周りには誰もいない。まどかですら。だが彼女は諦めなかった、怯まなかった。ただただ静かに心を燃やし、嵐に立ち向かった。
以下略



96: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:23:53.91 ID:i9eeC+ki0
ネミッサは続ける。知り合い、仲良くなるも魔法少女のことを知らない、知らされないネミッサは徐々に欠けていく友人たちの顛末を知らずに過ごした。マミが失踪し、杏子が姿を消し、さやかの葬儀が執り行われた。
そして、そして、ほむらは孤立した。
ネミッサは嵐に立ち向かうほむらを何度も止めようとした。だが事情も知らないネミッサの言葉をほむらが受け入れるはずがない。また仮に受け入れたとしても、彼女がまどかを諦めることはなかった。故に『何度も』ほむらの死を見届けた。
そのたびに時を巻き戻し、友達となり、失った。
『何度も』マミを救えなかった。
以下略



387Res/672.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice