過去ログ - 京介「俺の名前はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」
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8:ツン ◆IeC1kQL7FfR0
2013/01/07(月) 14:55:52.54 ID:iz3JJ5VSO
桐乃と出掛けるのは楽しい。何が楽しいかと言うと、通常比で四.五倍くらい桐乃と話せるからだ。

自宅で会話をしていないワケではない。ただ、話す機会がないのだ。家にいる時、俺は自室かリビングで過ごすのだが、桐乃は部活が忙しいし勉強もある。
そんな理由で桐乃は滅多に部屋から出てこない。

こうして二人で過ごすことは本当に稀で、俺はこの一時を実に貴重としている。

「それでね、昨日は──」

学校生活や読者モデルの仕事、部活動。桐乃は溜まった何かを吐き出すように、話題を出してくる。その様子を見ていると、どうやら俺は顔を綻ばせてしまっていたらしい。
桐乃が可愛く頬を膨らましてツンとしてしまう。

「あたしの顔見て笑わないでよ。顔丸いの、結構気にしてんだから」

俺から百八十度、顔を反らす桐乃。

「違う違う。──その、何だ。つい嬉しくてさ」

桐乃の気分を害するつもりはなかったが、怒る姿もいいな、うん。

「嬉しく……?」

「ああ、嬉しい。お前とこうして二人で過ごせることがな」

あの世界は平和ではなかったからな。安心して過ごせた日々は少しだけで、最後はナナリーとも離別していた。だからこそ、この時間は輝く。
戦いが終わった後の平和を、俺は知らない。平和になった世界で、俺はナナリーと過ごしていないから。

桐乃が生まれた日のことはよく覚えている。ナナリーが生まれた日もだ。
二人とも、俺の大事な妹。

「バカっ、あんまし恥ずかしいこと言わないでよ。もうっ」

「ははは、バカって言われちゃったな」

「ちょ、冗談だって!」

「うん、分かっているさ」

そう、俺はお前のお兄ちゃんだからな。

「うぐっ……! と、取り敢えず今日はガード高くしておくこと。流石に加奈子も懲りてると思うから、多分大丈夫なはずだケド」

そうだな。俺の精神衛生上、警戒しておかないとヤバいもんな。あの日のあやせちゃんは、おそらく幻。悪夢だったんだ。

肩と肩が触れ合うかどうかの距離で、俺と桐乃はあやせちゃんの家に向かう。それが俺たち兄妹の、今の距離。……手ぐらい握ってもいいんだぞ?


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