過去ログ - イチローが学園都市にやってくるようです -再試合-
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30: ◆I045Kc4ns6
2013/01/08(火) 22:21:54.71 ID:oV4kWqrS0

珍しく初春が声を張り上げる。いや、当然であろう。
親友が事件に巻き込まれたとなれば、心配で心配で心が潰れてしまう。
一般人が抗争に巻き込まれ怪我をして入院……なんてことはこの街ではそう珍しいことではない。
今こうして無事にいるのがある意味奇跡だ。
だからその奇跡の理由が知りたい。あの時何がどうなったのか。風紀委員として、何より親友として。

「う……そんな顔しないでよ……話すからさ」

只ならぬ気迫を感じ取ったか、いつもの陽気な面持ちから今まで見たことも無い神妙な顔に切り替わった。
思わずこちらも身構える。しっかりとメモをして事件の犯人を突き止めなければ。ごくりと生唾を飲み込む。

「じゃあ話すね。あの時……」

大体の時間から自分や相手の行動を佐天はぽつりぽつりと話していく。
要約すると、囲まれて襲われそうなところに先ほどから話題の野球選手が登場した、ということだ。
こういった情報で特に重要なのは顔である。
一番手っ取り早くこの野球選手の身元を特定できる方法に違いない。
そしてどうやら佐天はこの質問に答えられるだけの情報を持っているらしい。
彼女のしたり顔が物語っていた。
さっきの真剣な顔はどこにいったのだろうか?
挙句の果てには再びにやにやしながら「誰だか知りたいですか?」ときたものである。
その為に聞いているのだから知りたいに決まっている。
そしてようやく彼女の口を割ったのに再び黒子は溜息を漏らした。
電話の時は出なければ良かったと思い、今度は聞かなければ良かったと後悔するのだった。



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