203: ◆Upzc6141AI[saga]
2013/01/22(火) 00:28:34.18 ID:Ke7F7FlIO
一時間程戻って、美国宅
マオは最近の拠点をこの家にしていた。
嫌々でやっていた織莉子のメンタルケアだが、なんだか放っておけなくなり、今では広過ぎる家に居座っている。
ちなみに、テッサもこの家に居候している。
ふと、テーブルを見ると弁当が一つ置かれていた。
だが、今は織莉子は学校に通っていない為に弁当は必要ない筈だが。
そこまで考えるとマオは今朝立ち寄ったキリカに渡すものだと結論づける。
「おーい、オリコー。
キリカが弁当忘れてんよー!」
大きめの声で織莉子が聞こえるように言うと外の薔薇園から「えっ!」と声が聞こえた。
ドタドタと音を立てながら織莉子は外から入ってくる。
「ほら、コレ」
「っ!?」
織莉子は驚愕した。
机に渡す筈の弁当が置かれていたからだ。
「いや、そんなに驚く事でもないでしょ……」
大きすぎるリアクション。
思わずマオはツッコミを入れる。
織莉子は時間を確認するが、まだ昼前だ。学校に持って行けばかなり余裕で間に合うだろう。
弁当をひっ掴むと織莉子は玄関へと向かう。
「外に出て平気なの、オリコ?」
マオは心配をした。
当然だ、つい先日まで家の塀に落書きされる程には嫌われ者となってしまっているのだから。
「ええ、何をするにしてもこの家から出られなければ。
そうでなくてはキリカに申し訳ないですから」
そう言う織莉子はにっこりと笑って、つい先日までのような暗い表情は影もなかった。
「わかった。気を付けなよ」
そう言うとマオは手を振って見送った。
織莉子は確実に良くなってきている。
そう思うとマオは少しだけ頬が緩んだ。
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