307: ◆Upzc6141AI[sage saga]
2013/02/14(木) 01:41:27.28 ID:4S4ynx9IO
会話の最中も店を監視していたクルーゾーの報告。
「目標Bってクルーゾーさん…仁美ちゃんが悪いみたいになってますよ…」
まどかはどんよりしながらもツッコむ。
「あ、ああすまん。職業柄、こんな呼び方に慣れてしまってな」
クルーゾーは頭を掻きながらもやや反省しているようだ。
「あ、美樹さんはなんか…元気がないですね、ぐったりしていますよ」
織莉子は店内のさやかの様子を伝える。
(おそらく、仁美に宣戦布告をされたのでしょうね)
「えーと、おそらく、仁美に宣戦布告をされたのでしょうね、だとよ」
杏子はほむらのテレパシーを全く同じように伝える。
「宣戦布告…?敵の内通者とでも言うのか…!」
それを聞いた宗介は懐からグロックを取り出す。
「ふもっ!」
バシーン、と軽快な音が響く。
ほむらボン太くんが宗介の頭を思い切りはたいたようだ。
(言い方が悪かったわね…
要するに、上條くんの取り合いよ)
「ほむら、そっちの方が言い方が悪くないかい?
ああ、要するに、上條くんの取り合いよ、だって。
上條くんとやらは私は知らないがね」
キリカが話しながらも翻訳。
「上條くんは、さやかちゃんの幼馴染。天才バイオリニストらしかったんだけど、怪我をしちゃってたの……それで、言っていいのかな、さやかちゃんの願い」
「どーせ、その腕を治すってとこだろ?あのお人好しの事だ、すぐに分かるよ…」
そう言って杏子は少しだけ表情を暗くした。
かつての自分を思い出しているのだろう。
ゆまはそんな杏子を心配するように体を預ける。
「ふふっ、本当にお二人は姉妹みたいですね」
その光景を見た織莉子は微笑む。
「や、織莉子とキリカも似たようなもんじゃねーの?」
杏子は少し照れ臭そうに返す。
「私と織莉子は愛で結ばれ…」
「キリカ、これ以上はゆまちゃんの教育に良くないわ」
キリカは愛について語り出そうとするのを、織莉子に寸前で止められた。
「お、おいっ、さやかが店から出てくるぞ、隠れろって、ほら、ゆまはもっと詰めて……」
「えー、キョーコこれ以上は無理ぃ!」
押し込む、押し込む。
杏子は見つからないようにと、ゆまを隙間に押し込んでいる。
「……あんたたち、なにやってんの……?」
努力はどうやら、虚しく終わってしまったようだ。
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