417: ◆Upzc6141AI[saga]
2013/03/21(木) 01:16:37.82 ID:/LOoZryqO
そして最後に、当の私は。
「ごめーん、ほむらちゃん待たせちゃった?」
「いえ、そんな事はないわ」
少しの息苦しさを時々感じる事もあるけど、心臓病は快方に向かっている。
今日はまどかと出掛ける約束の日だった。
「よかった。今日はどうしようか?」
「まどかに任せるわ」
周囲からはよく、お似合いのカップルだと言われるけれど、どうなのだろうか。
確かに私はまどかの事が好きだけれど、彼女からしたら迷惑なのかもしれない。
決してそんな事を言う子ではないけれど。
「でも、少しだけ休ませてもらってもいいかしら?」
「ほむらちゃん、大丈夫?」
それでも心臓は言う事を聞いてくれない。
今までは魔法でなんとかしていた分、余計に鬱陶しくさえ思える。
「ええ、これがありのままの私なんだから、しっかり受け止めないと」
少しだけ嘘を吐いた。
ありのままではない。
でも昔のようになれるとは思わなかった。
紆余曲折があって、まどかを守る為にやっていた筈なのにこちらが地になってしまったのだから。
「まだ、魔法があるならなぁ…あ、ち、違うよ?別に変な意味じゃないの。ほむらちゃんが辛くないようになればな〜、なんて思ってたりして」
今のはきっと、まどかなりに気を遣ってくれた発言だと思う。
それでも私はしっかりと今を見据える。
「ふふっ、ありがとう、まどか。
でも大丈夫よ」
そこで私は一息だけ置いて次の台詞を用意する。
きっとそれは告白のようで、少し恥ずかしくて痛々しいかもしれない。
けれど、私の本心だから。
「貴方さえいれば、魔法なんて私には要らないから」
この先の未来がどうなるかは、誰にもわからない。
それでもきっと素晴らしい明日があると信じて前へ進んで行こうと、私はそう決意した。
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