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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/05/16(木) 22:45:18.21 ID:lzST4+Mto
「一足先に誕生日プレゼント」
はい。とボクは不死鳥をかたどったペンダントを渡した。
「ありが……ってこれは、君が拾われた時に持っていた」
焦っている彼にボクは笑いかける。
「いいんだよ。<約束>だから」
「え?」
「毎年のことだからね。今年は、父さん母さんの記念日に大きいものを買おうってお金がないし。
――ところで、君からは?」
そう言うと彼は、ハッとして彼の机の上にあるモノを取ってきてボクに渡した。
ガラスのカプセルに碧い石が入ったペンダント。
「僕も同じく君にコレをあげる」
「いいのかい?君こそこれは――「いいんだ」
「君が、そうしてくれたように僕も同じ気持ち」
さっきの自分はこんなふうに笑っていたんだろうな。
「そっか。ありがとう」「うん。僕もありがとう」
そうしてボクたちはあの日のように笑ったのだ。
「主役のお二人さん。降りて来なさいな」
「早くこい。みんな待ってるぞ」
階下でボクらを呼ぶ声がする。孤児院の主夫婦。そして子どもたち。
「「はーい。今行きます」」
勇者と魔王は夢物語の世界。
そうやってこの世界は続くのだろう。
終わり。
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