過去ログ - 隅っこで流れて小ネタを書いてみる
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/11(金) 00:15:19.06 ID:dLM89QCu0
■■

声をかけたのは、彼が初めてだった。
泣いていた彼はボクと同じような気がしたから。

「なんでないているんだい?」

彼は、泣きながらボクを見つめる。

「ほら‘奴ら’に見つかってしまう前に泣きやまないと」

「……奴ら?」

「そう、奴らさ」

彼は、わけがわからないという顔をしながらも涙をぬぐった。

「わけわからないこと言われたのに、強いね」

「うん、『勇者』は泣いちゃだめなんだ」

「そっか」

――君も結局、縛られているんだね。

「でも、おとーさんとおかーさんまでも『勇者』としてしか呼んでくれないのがすごく寂しい」

「!」

その言葉に、ボクはとても驚いた。気がつかれるほどでは無かったけど。たぶん。
だから思わずその言葉を口にしてしまった。

「だったら――」



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