過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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40:>>1[saga]
2013/01/11(金) 23:53:53.63 ID:bpYk7R6AO
〜26〜

アニェーゼ「くっ、私を拷問にかけようとか、二人を人質にしようとか思ってんなら大間違いですよ……」

食蜂「………………」

アニェーゼ「私達は」

食蜂「――無駄よぉ」

アニェーゼ「!!?」

食蜂「私の力から逃れられるのは、この世に“二人”だけよぉ」

エレベーターから三人を引っ張り出し、エグゼクティブフロアの備品を使って両手両足を縛り付けて――
今アニェーゼは毛足の長い絨毯に転がされており、それを食蜂がリモコン片手に冷め切った目で見やる。
御坂はこの場にいない。エレベーターホールへと向かい、非常用電源を切って、後続部隊を足止めする。
他にもハッキングして乗っ取った監視カメラ、警報機、脱出の準備などに追われている。残り一分半……

食蜂「質問その1☆どうしてここまでして私達を追い返す必要力があるのかしらぁ?答えてちょうだい♪」

アニェーゼ「ぐっ、あ゛あぁあ゛あぁあ゛あぁあ゛あぁ!!?」

リモコンの巻き戻しボタンを押し、狂信的とも言える信仰心を、心的外傷を抉り出して楔を打ち込んだ。
アニェーゼの脳内にプルースト効果など比にならないほどの再生力をもって鮮明に、克明に蘇る原風景。
殺された両親、ミラノの裏通り、レストランの裏手、ゴミ箱の中、捨てられた肉の残り、這いずる蛞蝓。
ネズミの死骸の抜け毛、ゴキブリのもげた羽、ぐちゃぐちゃ、グチャグチャ、噛み潰すだけの日々が――
アニェーゼというワインボトルを揺さぶり、舞い上がる泥のような澱から食蜂は真実を掴み取って行く。

食蜂「髑髏の山、十字架の丘、腐った果物、割れた砂時計、壊れた楽器、カタコンベ、“地獄の門”?」

蝉の抜け殻を拾い集める少女のように無邪気に、蝉の羽を毟り取る少年のように残酷に、食蜂は触れる。
何百人もの心の闇を見つめ、何千人もの心の傷に触れて来た食蜂の真の恐ろしさとは能力などではない。
それらをワインのように飲み干しつつ、酔いもしなければ満ちもしない、異形の在り方と異常な有り様。

食蜂「質問その2☆上条さんは生きてるのぉ?死んでるのぉ?答えくれないと貴女の大切な信仰心……」

アニェーゼ「ぐっ、がっ、お゛おぉお゛おぉお゛おぉー!!!」

食蜂「――貴女の大事な幻想(かみさま)ぶち殺しちゃうゾ☆」

アニェーゼ「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ー!」

――残り一分。




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