過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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51:>>1[saga]
2013/01/12(土) 00:05:14.68 ID:DfwHrfDAO
〜35〜

その瞬間、夜より暗く闇より深いテムズ川に渦巻く波濤と逆巻く奔流が、水底より昇る太陽のような……
三対六枚の水浅葱の翼が、ロータスエリーゼを掴んで水柱と共に夜空に舞い上がるのをシェリーは見た。

シェリー「(まるでユスリカの羽化だ。なんて美しいの……)」

電磁力を最大にし、クレーンのように吊り下げたロータスエリーゼのガラスを叩き割って御坂は吠える。
それによって車内を満たしていた水を吐き出し、食蜂を引きずり出し、ロータスエリーゼをエリスに――

御坂「落ちろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

引き寄せた電磁力の位相を反転させ、エリス目掛けて投擲し、拉げたタンクが引火し、爆発炎上させる。
辛うじてエリスの掌でロータスエリーゼを防ぐも、思わずシェリーが蹈鞴を踏むほどのそれは正しく――
学芸都市で顕現化した水翼の再現。『稲妻』の名を冠する幻の蝶アグリアスが如く輝き、瞬き、煌めいて

シェリー「撃墜術式用意!」

修道女D「駄目です!術式が発動しません!!どうして!!?」

羽化を迎えて羽撃き、闇夜に紫電の軌跡を描いてシェリーへと襲い掛かる!それは蝶と言うよりも――

シェリー「(しまったわ!飛ぶんじゃなくて落ちて来て――)」

猛禽類を思わせる急降下、爆撃機を想わせる錐揉み飛行で御坂が肉薄しシェリーの土瀝青の防壁を――

御坂「あああああああああああああああああああああああ!!」

シェリー「しまっ……」

焼き切るほどの雷撃の槍を放ってこじ開け、吹き飛ばし、すれ違い様に構えたコインで狙い撃つは――

シェリー「ぐはっ!?」

次の瞬間、一分間に八発しか撃てないレールガンを、僅か一秒の間にエリスとブリッジに叩き込み――
御坂はゴーレムを崩壊させ、ブリッジを瓦解させ、包囲網を粉砕し一撃離脱で闇夜の彼方に消え去る。

シェリー「……悪魔め」

ポツポツと本格的に降り出した雨に濡れるビッグベンの彼方へ。

ようやく掴んだ手掛かりも、得た足掛かりも全てを捨て去って。

意識を失った食蜂を抱き、御坂は雨の中を逃げ出したのである。



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