過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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[saga]
2013/01/11(金) 23:14:42.95 ID:bpYk7R6AO
〜4〜
御坂『……だったら』
食蜂『………………』
御坂『あんたを連れ歩く事で、私に何のメリットがあるのよ』
食蜂『――私の心理掌握(ちから)よぉ』
御坂『……あんたの、助力(ちから)?』
フィンガーボールに手指をつけ、ナプキンで拭き取りながら食蜂は語る。自分の『心理掌握』ならばと。
食蜂『そうよぉ。私の改竄力と最適化の恐ろしさは、私を除けば貴女自身が誰より一番知ってるでしょ』
日本人観光客を装って教会巡りをし、僧侶から修道女から関係者から何から何までその心を盗み見出来る。
人捜しなど微塵も感じさせず、上条のかの字さえ過ぎらせず、かつ相手に嘘を吐かせずに真実のみを暴く。
顔写真を手に異国の地を訪ね歩く愚を敵陣営の人間に悟られず、水面下で動くにはまたとない能力だろう。
さらには、敵陣にあって数十から数百はあるであろう教会を一軒一軒虱潰しする『人海戦術』さえ可能だ。
だが御坂は首を縦に振る事を良しとしない。そんな人を人とも思わぬ間違ったやり方で上条に会っても――
食蜂『自分の手も汚さず、泥を掴もうともせず、手に入れられるほど彼は安い?道は易い?よく考えてぇ』
胸を張って上条の前に立てはしないと、上条と肌を合わせる前の、体を重ねる前の御坂なら思っただろう。
挙げ句上条をインデックスに奪われた御坂をして食蜂は言う。貴女は自意識過剰と言うより美意識過剰と。
御坂『……じゃあ』
食蜂『?』
御坂『あんたが私と組むメリットは何?』
食蜂『貴女達にした事に対する罪滅ぼし、ってところかしらぁ』
御坂『嘘ね』
食蜂『………………』
御坂『あんたはただ、私が悩んだり苦しんだり傷ついたり悲しんだりするのを出し物でも見るみたいに』
食蜂『………………』
御坂『――自分だけ安全な特等席からオペラでも眺めるように高みの見物をしたいだけ。どう?違う?』
食蜂『――ヤリ捨てとは言え、処女力捨てた分だけイイ女になったわねぇ☆じゃあ交渉成立って事でぇ』
御坂の頬に手を添え、かかる毛先を指で触れながら食蜂が微笑みかける。メフィストフェレスのように。
御坂『私の気分的には悪魔との契約を結ぶみたいだけどね……』
禁断の果実に接吻するようにしてそっと唇を寄せて来る食蜂に。
食蜂『ならぁ、悪魔に捧げる魂の代わりになる対価力はぁ――』
そして時は巻き戻る――
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