過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」 2
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72:吟遊詩人[saga]
2013/02/15(金) 15:30:06.85 ID:nNWfOeT40
男「けど……僕は。もう戦いなんて……」

 過去の出来事を思い出す男。かつて憎しみに任せ戦い続けた結果、彼の手は血で濡れ憎んだ者に自身がなるところであった。それ以降戦いの場からずっと身を遠ざけ、エルフと共に平穏な世界で幸せな日々を過ごしていたのだ。
 そんな彼の前に今重い選択肢が突きつけられていた。導者というものになり、世界を救うための戦いへと再び身を投じるか、全てを見なかったことにしやがて訪れる死を静かに受け入れるかという選択肢が。
 そのどちらも簡単に受け入れることのできないものである。なぜなら、それは人一人が背負うのには重すぎるものであったから。
 褐色エルフの言うとおりであるならば人とエルフが協力しあわなければその敵は倒せないという。

褐色エルフ「お兄さんは、もう会えない人にもう一度会いたいとは思わないの?」

 不意に投げかけられた褐色エルフのその一言に、男の脳裏に懐かしい声が響き渡った。

旧エルフ『男さん!』

 けして忘れることなどできはしない、最愛だった少女の声が。振り返れば今も鮮明に思い出すことができる彼女の全て。もう二度と戻ることのない温かな温もり。
 また彼女に会うことができる。甘美なその誘惑は男の心へ深く突き刺さった。

男「本当に彼女に会うことができるのか?」

褐色エルフ「ええ、救世主という運命を背負わされるという代価と引き換えに。そして、それを願ったあなたにも導者になるという代価を支払わなければならない」

男「運命から逃げることは?」

褐色エルフ「無理だよ。避けることができないものだから運命と言われるんだから。どこへ逃げようと、隠れようとその運命が背負った者を追いかける」

男「そう……」



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