156:絶ゴミ107 ◆59WingzUMY[saga;鳥ミスった]
2013/03/23(土) 23:19:03.19 ID:qgxOzbDG0
「うわぁ〜、いろんな意味でオトナやなぁ」
感心していいのか呆れていいのか、葵は複雑な表情をした。
「頼りになる味方ならいいんだけどさぁ」
「出資はともかく、現場じゃねぇ……」
薫と紫穂も不安そうに徳川葵をながめた。
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みんなががんばっている中、独身寮で一人風邪と戦う。
普通ならさびしくなるような状況だったが、由羅は違った。
「はい、あーん」
野分ほたるがスプーンですくったプリンを由羅に差し出した。
由羅はプリンを唇でキャッチすると、息を吸い込んで口の中へと運んだ。
「あー、おいしー。ゴメンね、野分さんだって自分の仕事があるのに
つきっきりで看病してもらっちゃって……」
申し訳なさそうな由羅に対し、ほたるは首を横に振って見せた。
「いいの。人のこと心配するよりも、自分の復帰を第一に考えて」
ほたるの言葉に、由羅は思わずうるっときた。
内心、ほたるも皆本狙いで看病していただけだと疑っていた自分を恥じる。
「野分さんって本当にいい人だなー、たむろとはエラい違い」
「それは五味さんは男の人ですもの。つきっきりで看病ってわけにも
いかないでしょう?」
由羅の小さな愚痴に、ほたるはそう返した。
「昔は……それでも良かったんだけど……」
由羅は少し遠い目をしてつぶやいた。
「昔?」
ほたるは首をかしげる。
「あ、精神感応で透視していいよ。隠すほどのこともないし、
全部言葉で説明するのもしんどいから」
由羅は気さくにそう言った。
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