過去ログ - 絶対可憐ダストスパート!!
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25:絶ゴミ017 ◆59WingzUMY[saga]
2013/01/14(月) 14:05:40.45 ID:CDL3+jf90
「背古井さんは超能力者ではないのよね?」

志穂は背古井に聞いた。超能力者相手には接触感応がやりにくい場合がある。
違和感の原因をそれではないかと思ったのだ。

「いえ。私は普通人(ノーマル)です。検査では潜在能力も無いということでした」

背古井はきっぱりとそう答えた。

(それなら何だったのかしら?)

志穂は、この男が危険な人間でないかどうかを調べるために会いに来た。
一時的とは言え自分達の指揮を任せることになるという情報を、すでに職員から
接触感応で聞き出しているから、まず自分達に害がないかどうか知る必要がある。
さらに、諜報員である以上、何らかの任務を秘めてバベルに潜り込もうとしている
可能性も疑わなければならない。
接触感応で読みきれない相手というのは危険だと志穂の頭脳は告げた。
だが――

(この人は、ためらいもなく私の手を握ってくれた)

それだけの理由でいい人だと思いたいという感情がどこからか湧き上がってきた。

(……バカね、もう小学生の子供じゃないのに)

志穂は心の中で自嘲した。

「それじゃ、行きましょう。こっちよ」

志穂は案内をはじめる。最寄り駅からバベル本部までは歩いてすぐいける距離で
その区間は警備も充実している。直接的な攻撃手段となる超能力の無い志穂が
安心して一人で迎えにいけるのはそのためだ。

「それでは」

背古井は素直についていった。

「ところで、さっき少しだけ背古井さんが追っている事件のことを
透視させてもらったんだけど――」

志穂は仕事の話を振った。
志穂は事件の捜査をバベルに所属する「特務エスパー」としての任務のほかに、
父親が警察庁の長官であるためその手伝いとしても行っている。
そうしているうちにか、元々そうだったからかは分からないが犯罪捜査は
志穂の趣味でもあった。特に、猟奇殺人など残酷で凄惨なものが志穂の好みだ。

「ああ、連続スクラップ事件ですね。最近、乗り物や家屋などが突然崩壊する
という奇妙な現象が多発しています。私はこの件を何らかの組織的犯罪では
ないかと疑っているのです」

背古井の表情は変わらないが、語る口調が真剣なように志穂には思えた。

(よっぽどの仕事人間なのかしら?)


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