32:絶ゴミ021 ◆59WingzUMY[saga]
2013/01/17(木) 00:17:03.43 ID:H4lV2cO10
紫穂はスラスラとそう答えたが、ウソである。本当は彼女達の言う「少佐」が
どうなっているのか知っているが口止めされているのだ。
「そっか……ところでさ、あたしたちもかもしんないけど、
今日は薫と葵も元気ないね」
金髪の少女は視線をその二人のほうに向けた。
「なに、澪(みお)、あんた気になるの?」
そんな澪にカズラがニヤニヤしてたずねる。
「バ……バカッ、そんなんじゃなくてっ!」
なぜか澪は必死になって言い返した。
「ああ、あれは気にしなくていいわ。昨日新入りに超能力テストで負けちゃって
へこんでるだけだから」
「へぇ……あの子たちより強いエスパーが入ったの?」
紫穂の説明に、カズラは少し驚いた様子だった。
超度7の薫と葵に勝てるような超能力者は滅多にいないはずだ。新入りで
そんなに強いとすれば、カズラ・澪たちの『パンドラ』にとって強敵になりうる。
「ええ、私たち『バベル』も着々と力を増しているわ。
現場で会ったらあなたたちでも容赦はしないから、覚悟することね」
紫穂は普段なら薫と葵を擁護するところだが、今回はあえてこう言った。
筑紫澪(ちくし みお)、玉置カズラ(たまき かずら)の二人は
『ザ・チルドレン』のクラスメートであると同時に犯罪組織『パンドラ』の
メンバーだ。他にも数名、同学年に『パンドラ』のメンバーがいる。
現在『パンドラ』はロビエト連邦という北の大国の庇護を受け、日本にも
ロビエト大使やその職員・子弟として堂々と入り込んできている。
だから、普段は犯罪組織のメンバーと分かっていても手が出せない。
しかし、現行犯ならば話が別なのだ。その時はクラスメートで友人で
あったとしても任務として捕まえなければならない。だから紫穂は、できるだけ
余計な争いにならないようにけん制しているつもりだった。
「ふん、そんときゃ返り討ちにしてやるよ」
しかし、挑発と受け取った澪は腕を組んでふんぞり返ってそう答えた。
「――て言っても、ウチも学校とかロビエトへの遠慮があるから
最近あたしたちにそういう仕事が回ってこないのよね」
カズラは肩をすくめてみせた。
「ふぅん、それならいいんだけど……場合によっては応援頼むかもね」
「言ってること逆じゃん!」
紫穂の言葉に、澪がつっこむ。
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