過去ログ - 京太郎「俺のサクセスストーリー」
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15: ◆NZD.UFKqaQTc[saga]
2013/01/15(火) 21:27:19.37 ID:9weSZbI80
そんなわけで、須賀君の家にお邪魔することになったわけですが。
正直、よく話をする関係だとかそういうわけでもないし、なんというか、気まずいですね。
手持無沙汰に須賀君の家のリビングのソファに腰かけていると、少し遠くからピロリンと電子音。
須賀君? 何か鳴ってますけど、大丈夫なんですか?
「ん? あ、ネト麻やってたんだ! しまった、放っといたから……」
ネト麻、ですか。丁度いいですし、よかったらアドバイスしましょうか?
「マジで? なんか悪いな……」
いえ。こちらこそ、春から夏にかけては麻雀初心者の部員に対して不親切だったかな、と思いまして。
「そうかな? そんなことないと思うけど……」
お気になさらず。
……そう、実際、不親切だったのでしょう。
高校生の部活なのだから、そこは初心者が麻雀を好きになれるような環境であるべきなのに、
須賀君はほとんど雑用としてしか麻雀部にいられなかった。そのことは素直に申し訳なく思っていますし、
真面目に麻雀を強くなりたいと思っている人には、私だって相応の態度で臨みたいですからね。
「っと、じゃあここは……これを捨てりゃいいわけか」
そうですね。そのほうが、有効牌が多くなりますから。
「お、そう言ってたら本当に来たぜ! リーチだ!」
……あれれ。
部では全く麻雀の練習をする暇もないようでしたからもっと基礎から教えることになるのかと思っていましたが、
案外、そこそこ出来ているじゃありませんか。今までずっと、我流で頑張ってきたんでしょうか?
よく見ると本棚に麻雀の教本がありますし……むう、なんだか本当に今までのことが申し訳なくなってきました。
「……ん? どこか間違っちまってたか?」
いえ、大丈夫ですよ。思ったよりもよく出来てると思います。
この調子なら、来年はいい所まで勝ち上がれるんじゃないですか?
「へへ、そうだったら嬉しいな。いやでも、和に教えてもらったらなんかすげー調子いいや。これなら毎日教えてもらいたいくらいだ」
ふむ……それなら、ネト麻で出来ますよ。牌譜の確認もネト麻のほうが楽ですし、今晩から始めましょうか?
「いいのか? なんかホント悪いなぁ」
構いませんよ。人に教えるには自分がそれ以上に理解している必要がありますから……復習は、大事ですからね。
どんな基本だって、学んで学びすぎるということはないんです。
「ほー。そんなもんなんだなー」
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