過去ログ - なずな「雪の日」
1- 20
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/16(水) 23:55:41.50 ID:Z2MY10hv0
 唐突に意識が覚醒した。

 あまりにはっきり目覚めるものだから、もしかしたら朝かな、と思ったけれどどうやら違ったようで、薄目を開けた先は、まだ真っ暗だった。

乃莉「なずなぁ……」

 寝ぼけたふりをして抱きつこう。わたしは思いたって、隣にいるなずなに腕を伸ばす。

 ぼふん、と気の抜けたような音。わたしの手は布団をとらえた。反発は、ない。布団の中身は消えていた。

乃莉「あれ?」

 ぱっちりと目を開けて確認すると、やはりそこになずなは不在――いや、少し前まではそこにいたみたいで、出来損ないのカマクラのようなアーチとなまぬるい温度が、まだ布団に残っている。

 わたしは這い出すように布団から抜けた。

 部屋中を探す。トイレにも、洗面所にも、なずなはいない。

 にわかに心がざわめき始める。わたし、何か気に障るようなことしたかな。考えても出てこない。わたしは玄関にむかった。

 案の定、靴が一足消えていた。

乃莉「なんでっ!?」

 わたしはコートをひっ掴んで部屋を出た。

 時刻は午前二時。くしゃみも凍りそうなほどに寒い、冬の夜。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
20Res/13.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice