11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/16(水) 23:55:41.50 ID:Z2MY10hv0
唐突に意識が覚醒した。
あまりにはっきり目覚めるものだから、もしかしたら朝かな、と思ったけれどどうやら違ったようで、薄目を開けた先は、まだ真っ暗だった。
乃莉「なずなぁ……」
寝ぼけたふりをして抱きつこう。わたしは思いたって、隣にいるなずなに腕を伸ばす。
ぼふん、と気の抜けたような音。わたしの手は布団をとらえた。反発は、ない。布団の中身は消えていた。
乃莉「あれ?」
ぱっちりと目を開けて確認すると、やはりそこになずなは不在――いや、少し前まではそこにいたみたいで、出来損ないのカマクラのようなアーチとなまぬるい温度が、まだ布団に残っている。
わたしは這い出すように布団から抜けた。
部屋中を探す。トイレにも、洗面所にも、なずなはいない。
にわかに心がざわめき始める。わたし、何か気に障るようなことしたかな。考えても出てこない。わたしは玄関にむかった。
案の定、靴が一足消えていた。
乃莉「なんでっ!?」
わたしはコートをひっ掴んで部屋を出た。
時刻は午前二時。くしゃみも凍りそうなほどに寒い、冬の夜。
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