過去ログ - 律「ねむねむ天使」
1- 20
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/18(金) 19:28:46.96 ID:16wrmhbw0




こつん。




何となく思い付いた私は、梓の頬を掴んでお互いのおでこを重ね合わせた。
深い意味は無んだけど、今はずっと頑張ってくれてた梓の体温を感じたい気分だったんだ。
梓のおでこは熱を持って温かった。
ずっと頑張って来た梓の情熱の残り火みたいだ――。

温かい梓のおでこ――。
おでこを重ねて私の考えてる事が届けば楽なんだけど、そういうわけにもいかないよな。
照れ臭いけど、私の気持ちは自分の口で伝えないといけない。
それが旧部長の私に出来る最後の事だと思うから。
勿論、それで私の役割が終わるわけじゃない。
来年度からは部長とかそういう関係じゃなくて、単なる大切な仲間として頑張ろうな!

梓は――。
こいつはまだまだ目を覚ます気配が無い。
こいつは寝起きのいい方じゃないし、下手をしたらこのまま朝まで眠ってるかもしれない。
私だって最大で十二時間寝てた記録の保持者だ。
張っていた緊張の糸が途切れた時に、爆睡してしまう気持ちもよく分かる。
だったら、今は寝させてやらなくちゃな。
来年度からはまた目まぐるして楽しい大学生活が待ってるんだ。
だから、今ぐらいは、な。

私は手を伸ばして、床に置いていた自分の携帯電話を手に取る。
登録してあった梓の自宅の電話番号に掛けると、三コール目で梓のお母さんが出た。
「爆睡してて今日は起きそうにないから、今日は泊めてあげてもいいですか?」、
って伝えると、案外簡単にお母さんも了承してくれて、
電話の終わり際に「あの子、田井中さんに会うのをすっごく楽しみにしてたんですよ」って言われて、
それで嬉しいんだか気恥ずかしいんだか分からないんだけど、背中が痒くなっちゃったりして、唐突に――。


「ふわぁ……」


梓の寝顔をずっと見ていたせいか、私まで何だか眠くなってきてしまった。
欠伸は伝染するって言うけど、そういうのも関係してるんだろうか?
ま、いいか。
念の為、冷えないように暖房の温度を少しだけ高くしてから、
私は膝を開いて太股の間に梓の頭を下ろしてから、両の手のひらをその頭の下に敷いた。
いくら何でも、膝枕したまま寝ちゃうと、筋肉痛どころか血の流れが悪くなっちゃいそうだからな。
それは梓だって望む所じゃないだろうし、私も手のひらくらいだったらきっと大丈夫だろう。
手のひらが多少は痺れたって構わない。
今日は梓とこうして二人で微睡みの中で眠っていたいんだから。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
16Res/16.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice