過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/21(月) 02:05:38.66 ID:E/g+nYa6o

「うん。すっごい眠れた」

「そいつは良かった。もしかして起こしちゃったか?」

「そんなことないよ? たまたまタイミングが重なっただけ。快眠できたよー」

「ふーん……昨日の今日のでまだ疲れてると思ったけど、そうでもないみたいだな」

  ほっと肩を下ろすと、カオルはベッドに腰を下ろした。
彼女の体重分だけ土台が軋み、キィ、と音が鳴る。
シーツや掛け布団は綺麗だけれど、ベッド自体は相当古いのかもしれない。
かずみは目には見えない歴史の重みを感じる一方で、そこで寝ている自分の身に少しだけ危機感を覚えた。

  とはいえ、すぐに壊れるようなことは無いだろう。

「……ねぇ、カオル」

  彼女の名を呼ぶと、彼女は優しげな瞳をかずみに向けて首を傾げた。

「どした? もしかしてあたしのこと、思い出したか?」

  質問には答えずに、かずみはじっと彼女の事を観察した。

  肩にかからない程度で揃えられたショートの髪。
ぱっちりと開かれた橙色に見えなくもない瞳。
引き締まった体躯と、女の子らしいしなやかさ。
染みや傷や荒れた箇所が一つもないきれいな肌。

  そんなカオルの姿を自分の記憶と照らし合わせ、

――憶えていない。

  愕然と俯き、トーンを下げた静かな声で告白する。

「……ごめんね。やっぱり思い出せないや」

  なんだ、そんなことかと目の前の少女は肩をすくめて見せた。


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