過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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48: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/02/15(金) 23:26:05.17 ID:l7UXh0hy0

菖「で、さぁ」

水無瀬「ん?」

菖「ソレ、は・・・私も食べていいの?」

起こした火の上に金網が引いてあり、白米を込めた小鍋がくつくつと煮立っている。
炊飯器のような人工的な匂いではなく、野性味溢れる芳しさが辺りに漂う。

ヤバイ状況でこそ、気構えずにいるべきだとの信条がもたらした行動であった。


水無瀬「一人で食うほど捻くれてねーよ」

菖「ありがとう!水無瀬!」

きっと、幽閉されていた時は碌なものを食べることが出来なかったのだろう。
こんなことで喜んでくれる人がいて、水無瀬の表情は少し綻んだ。


水無瀬「そろそろいいんじゃね?」

菖「おぉ、ぉっ!?」

かぱりと蓋を開けると、湯気がもうもうと沸 き、程良く米が炊き上がっていることが判る。


菖「なっ・・・なにコレ」

水無瀬「えっ?お前の地域って米食べない?」

菖「いや、そうじゃなくて」

水無瀬は、この子が何を言いたいのか全然判らないでいる。

菖「お粥じゃない・・・なんて、贅沢な食べ 方」

貧困地域の出身だったのか・・・・ようやく菖の真意に気づけた。
生まれた時から碌なものを食べることが出来なかったのだろう。


水無瀬「好きなだけ食えよ」

一つしかない碗に自分が食べる分だけ取って、残りの鍋ごとスプーンと一緒に菖へ渡す。


菖「謝謝(いただきますっ!)」

水無瀬「あ、干肉もあるから焼こうぜ」

弾薬庫に入れてある干肉と塩胡椒を取りに向かおうとした時、背後の菖が挙動を止めた。


菖「肉って・・・」

まるで、驚愕に打ちのめされるかのように。


菖蒲「水無瀬、金持ちだったのか」





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