過去ログ - 美希「忘れてた想い出のように」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/01/27(日) 22:01:16.63 ID:y4hmwWKDo

「だから……寂しくなかったよ」

「……ッ」

「美希」


酷く優しい声で少女の名を呼ぶ。



「……な……っ……なに……?」


「ありがとう」



悲しくも綺麗な声で感謝を伝える。



「ど……どうして……お礼なんて……っ」


「寒くないか……?」


「……ううん。……あたたかいよ」


「そんな格好してるのにか……」



軽い口調で、消え入りそうな声で、笑顔を引き出そうとする。


少女は泣いていた。



「……うぅ…っ……ぅっ……」


「どうして……泣くんだ……」


「だって…………だって……!」


「……ごめんな……」


「や…やだ……ぐすっ……やだよっ……ずっと……みんなと居ようよっ」


「うん……そうしたい……」


「じゃ……じゃあっ」


少女の心が期待で膨む。


「でも…っ………もう時間が無い」


「――え」


少女の息が詰まる。




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