過去ログ - 上条「…お前なんか、嫌いだ」ふぃあんま「…え」一方「帝督、好きだ」
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113: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/02/10(日) 16:19:32.26 ID:AEWr+uLu0

上条当麻は予定通り、二週間で退院した。
本日、十二月二十六日。
入院してしまったため、その分を取り戻す為に本日、上条には長時間の補習が待ち構えていた。
だが、彼の表情が暗いのは学校に行くのが億劫だから、ではない。

上条「……誕生日、お祝いしてあげられなかった」

ケーキを買ってあげるつもりだった。
何がしかのプレゼントを買ってあげるつもりだった。
喜ぶ顔を見て、頭を撫でてあげたかった。

ずっと一緒に居ると、約束したのに。

約束なんて要らないだろう、と大見得を切って。
或いは、あの言葉を放たれるのが嫌で、フィアンマは約束が欲しいと言ったのか。

上条「……」

ベッドの上。
補習に行く気力もなく、上条は仰向けになる。
不意に、指ぬきグローブから出ている細い少年の指が、上条の頬に触れた。
バチン、という激しい一瞬の痛みに、上条はガバッと起き上がる。

上条「ッ、何すんだよ!!」

トール「めそついてねえで学校行け」

きっぱりと、ともすれば冷たく。
ぴしゃりと言い放ち、雷神トールはやれやれとため息をついた。
右方のフィアンマが出て行って以降、生きる気力をまるで感じられない上条を死なせる訳にいかず、彼は未だ住み込んでいる。
もう一つの理由としては、上条が元気を取り戻した時、戦いたいから、という理由もあるのだが。

上条「…弁当作るの怠いし、買う金無いし、今日は良いよ…」

トール「弁当ならもう出来てる」

ほれ、と顔に押し付けられ、上条は弁当箱を見た。
余っていた賞味期限切れ寸前のパンにチーズとハムを挟み、焼いたようだ。
ぎゅう、と強く押しながら焼いたのか、ホットサンドとしてきちんと形がなされている。
ほかにはツナ缶(使いそびれ)とマヨネーズを混ぜたものが挟まれたホットサンド。
数種類のサンドがきっちりと使い捨て弁当箱に詰めてあり、液漏れの心配が無いよう、アルミホイルを一応挟んである。

トール「これ持って早く行け」

上条「…トール、お前…」

トール「…右方のフィアンマが作るモンには敵わねえが、食えない代物じゃないはずだ」

味見はしてある。
そう言って、トールは風呂場へ消えた。
風呂掃除をしてくれるらしい。
上条は弁当箱を見やり、黙ってしばらく考えた後、学生服に着替え、学校へ向かった。



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