17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 21:46:50.52 ID:z17TTo9R0
終わりよければ全てよしなんて、誰が言い始めた殺し文句だろうか。
まるで、結果さえよければ途中の苦難は全部を亡きものにしても許されるような、魔法の言葉だ。
彼、もしくは彼女が流した涙は幸福の陰に隠れてもよいのだろうかと、思わなくはないけれど。
それでも。
それでも。
彼女の笑顔がそこにあるならば。忘れたくないと泣かなくて済んだのならば。隣にいるのが僕でなくても。
「僕は今となんら変わりはしない、ということです。今までもいままでのように僕は僕でありつづける。
『終わりよければ全てよし』という言葉にイエスもノーもない。ただ、彼女の笑顔が曇らない日々があるのならば……」
それでいい、と言葉を続けた。
「お前が魔法名を名乗り始めたのは13の時だったか」
最大主教が口を開く。からかいのような口調はいつしか失せていた。
「ええ。僕とともにいた禁書目録が眠りについたあの日から」
「当時は、仰仰しい名をとも思ったものだが」
今となっては、的を得た魔法名となったのやも知れぬなと、普段よりも低い声で。
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