35:2-2[saga sage]
2013/04/23(火) 17:03:36.61 ID:/3sZDuqz0
2-2
馴染みのファミレスで相対した相手が異性だったからだろうか。
顔見知りのウエイトレスが意外そうな顔をしてこちらを見ていた。
店内の人影は疎らだ。自分たちの他には、部活帰りと思われる校名入りジャージを着た数人の女子高生らしかいない。
「早い・安い・旨い」の三拍子で学生たちの心を鷲掴みしている人気店でも、
暇を持て余したウエイトレスが、時間つぶしがてら客観察に高じる程度に暇になる日もあるらしい。
少女と少年の素性は多少なり周囲にばれている。
有名税ですよ、と友人の佐天類子らに指摘されたのはつい最近。
話を盗み聞きする輩はいないと思うが、それでも人が少ないことにほっとしたのが本音。
どうにも、両者の相性はすこぶる悪いのだ。
関係改善に絶対にあり得ず、相互理解の努力すらも無意味な間柄。
互いの理性が崩れれば最後であり、いつ能力使用のドンパチになるか当人たちにも予測できないのだから、巻き込まれる周囲には達が悪すぎる。
そんな相性最悪な奴らが、放課後のファミレスで顔を合わせているかというと、学園都市において看過できない大事件が発生したからである。
超能力者序列第一位の一方通行と名乗る少年も、
同じく序列第三位の御坂美琴という名の少女も。
見て見ぬふりを貫き通すほど大人にもなれず、何をどうしたらいいのか分らぬままに、解決の糸口を求め宿敵との対峙に至ったらしい。
「……まァ、なンだ。アイツは待っててくれる奴が良かった、って事だなァ」
長いようで、実のところは三分弱ほどの小さな睨み合いに白旗を揚げはじめに口を開いたのは、一方通行のほうだった。
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