5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/06(水) 23:14:11.57 ID:lqWbdXMg0
ミサカネットワークは深夜でも動きっぱなしだ。睡眠時、妹達たちの理性はほぼ完全に消え失せる。
感情だけが渦巻く情報網の海に身を投げ出すのは、今になってもしんどい作業だ。
悪性の感情を優先して拾い上げる性能付でも、一度に処理できる量には限界がある。
感情の芽がようやく顔を出したばかりの妹達だ。
枷のない牙をもつ素の感情の量も今まではたかが知れていた。
朝は苦手だと思いはすすものの、溜息をこぼすほどのものではなかったはずなのに。
変化があったのは、先月くらいからか。
限度ってもんがある。
最近は、この一言に尽きた。
表面では、妹達もなけなしの意地を引っ張り出して、笑顔を張り付けるのだ。
とある妹達の一個体は、
『臆病者のミサカに文句を言う資格はありません。
見つけてもらうことばかり考えていたミサカに、嘆く事など許されるはずがありません。
誰かがミサカのことを敗者だと笑っても、ミサカ自身は決して自分を笑ったりはしない。
この世には勝ち負けばかりです。
この気持ちそのものに優劣をつけるのは無粋です、と粋な女になることを目標に掲げるミサカはそう宣言します』
と、威勢良くのたまいやがったが、理性なしの本音は、言葉にならない悲鳴に似た後悔の念だったりするのだ。
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