過去ログ - 律「月はみてる」
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14: ◆epXa6dsSto
2013/02/09(土) 19:27:10.14 ID:juBpRnU+0







月みたいな澪が――、


地球みたいな私を――。






澪といつまで一緒に居られるんだろう。
そう考えた事は一度や二度じゃない。
特に高校受験の時だ。
澪とは仲が良かったし一緒に居たかったけど、
桜高は結構難しい高校だったから、同じ高校に通えるとは思ってなかった。
だからこそ、桜高に合格出来た時は本当に嬉しかった。
それでも、いつかは別れる時が来るんじゃないかって、内心はずっと不安だった。
でも――。

澪はしっかりと私を見てくれてる。
ずっと見てくれてた。
分かっていたはずなのに、いつの間にか忘れてしまっていた。
歳を取る内にいつの間にかそんな当たり前の事まで忘れてしまってたんだ。
だけど、私は思い出せた。
偶然か、必然か、それは分からないけど、
たまたまこの場所の事を思い出せて、大切な気持ちも思い出せた。
それが私は凄く嬉しいんだ――。


「なーに、恥ずかしい事言ってんだよ、澪ー!」


照れ笑いを浮かべながら、私は澪の肩に腕を回して頭を重ねる。
ちょっと驚いたみたいだったけど、澪は私の腕から逃げなかった。
澪の温かさと鼓動と優しさを胸の奥から感じる。


「おいおい。
急に飛び掛かって来たら危ないだろ、律?」


「細かい事、言うなって。
私は澪にくっ付きたくなったから、くっ付いただけなのだ!」


「やれやれ……」


澪が苦笑して、私も釣られて苦笑した。
嬉しくて温かい苦笑を二人で浮かべる。
そうして、月明りに照らされる澪の横顔を見ながら、私は思った。


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