過去ログ - 老兵や古兵って響きからしてカッコいいよな! というわけでSS書く
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/10(日) 12:10:53.06 ID:Xs4uGvw2o

 しなびた蜜柑。
 弥助が祖父を見るにつけて思い出すのはそれである。
 日光を浴びてしぼんだ小さな塊が縁側に転がっている。
 それが最高の武人であると言われても、信じるのは難しい。

「なんぞ用かね弥助」
「……母様が、食事の用意ができたと」
 おうそうか。返事だけして、老人は寝そべったまま。
 名残惜しそうに日の光の中でもぞもぞと身じろぎなぞする。

 はよ起きてもらわんと、自分も飯が食えない。
 弥助は祖父を軽蔑したことはない。
 それでも自分の腹の虫にせっつかれて、苛立つことはある。
 年長者は敬え。自分で自分に命じる。命じなければ成り立たない尊敬は、尊敬といえるか分からないけれど。



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