過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ!」 3クール目【仮面ライダー】
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◆B6xkwd67zxGJ
[saga]
2013/02/13(水) 02:49:27.86 ID:JL9xnSxdo
「ただでさえ今でも迷惑をかけてるのに……多分、これからもっとそうなる」
「……」
「私がそこまで、相手に押し付けちゃっていいのかなって……そう思うようになって」
その仕事をやると決めたときから――ずっとその事について悩んでいたんだけど。
などと呟いて、女性が目を閉じる。
相当に重要な事らしい。
それでは却って――愚痴を聞くと意気込んでこそ見たものの、心が消沈する。
これだけ悩んでいる人間に向かって。
軽い気持ちで何かをアドバイスしたり、見当違いな事を言ってしまったり。
その結果、目の前の彼女と誰かに迷惑がかかる――なんていうのを想像すると、怖くなる。
そのあたりが。
自分が背を向けて、離れてしまっていた――人間関係や付き合いというものの経験の差が如実に表れる。
悔やんでもどうしようもない。
良い答えなど見つからないし、悪戯に同意していいのかすら分からない。
答えあぐねていた京太郎の様子に気付いたからか。
すまなそうに、彼女は目尻を下げた。
「ごめんね。こんなこと言っても、君には分からないよね。たった今出会っただけの、赤の他人の事だもんね」
「……力になれなくて、すみません」
「ううん。でも……誰かにちょっとでも、吐き出せたから……それで十分だよ」
そう言って、女性が時計を見た。
腰のあたりにチェーンで繋がれた懐中時計。
誰かからの贈り物なのだろうか、文字が刻んである――が掠れてしまって読み取れそうにない。
「ごめんなさい。こんな時間だから、私……もう行かなきゃ」
「いや、俺の方こそ……すみません」
頭を起こす。
腫れ自体は大したものではない。冷やしておけば、明日にはほとんど引くはずだ。
そろそろ、カザリも来るだろう。
話し始めて五分かそこら。
気を失っていた時間はどれぐらいかは知らないが、まあ大した時間は経っていないはずである。
見知らぬ女性と話し続けて話題に窮するのも“こと”であるし。
カザリの機嫌を損ねるのも、困る。
「それじゃあ、俺もこれで」
「うん。……ありがとう」
実際のところ礼を言われるような事は何もないのだが。
まあ、相手がそう言っているのだから。特に否定する必要もなかった。
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