過去ログ - ネミッサ「デビルサマナー鹿目まどか 対 魔法少女鹿目杏子」まどか「戦うの?」
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282: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/05/05(日) 22:07:36.85 ID:Vc5e54U90

半ば自棄になった彼が最初に行おうとしたことは、ケーキのドカ食い
だった。元々甘いもの好きの彼ではあったが、選手としての体重制限の
ため、思うままに甘いものを食べることができなかった。

見滝原の小さなケーキ屋に飛び込んだ彼は、端から端までを選んで
食い散らかそうとした。
それを咎め諭したのが、当時高校生でケーキ屋の夢を歩き出した
アルバイトのマミだった。

「そんな食べ方、ケーキを作る人たちに申し訳ないと思わないんですか」

ケーキ屋で働き始めたばかりのマミにとって、ケーキを作るためにする
工夫や努力は尊敬に値していた。それを乱暴に食い散らかそうとする
彼が許せなかった『のではないか』という。彼女は当時のことを
あまり覚えていないらしい。客を咎めることを言い店長に怒られたこと
くらいは覚えているようだが。

ともあれ、長身で大柄な四つも年上の男性に怯むことなく諌めるマミの
性格を、彼はすっかり気に入ってしまった。
またそこのケーキの味も気に入ったため、毎週のように新作を一つだけ
買いに来る。それが彼の習慣になった。

それから彼がマミに恋するようになるのはそう時間はかからなかった。

だが、それ以上に、マミのケーキにかける情熱に心を打たれた。夢を
無くし不貞腐れていた彼の前に、新しい道が開けたとも言えた。
そして自暴自棄になった自分を恥じた。

彼は格闘家からパティシエになる道を選んだ。



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